なぜジョブズは、黒いタートルネックしか着なかったのか? - ひすいこたろう・滝本洋平

「なぜジョブズは、黒いタートルネックしか着なかったのか?」の解説と要約&あらすじ・内容の説明と感想レビュー

「なぜジョブズは、黒いタートルネックしか着なかったのか? 〜真の幸せを生きるためのマイルール28〜」とは、2016年に初版発行された本で 「あした死ぬかもよ?」で有名な、ひすいこたろう氏と滝本洋平氏による共著。

本のタイトルにアップル社のスティーズ・ジョブズの名前が採用されている為、 ジョブズに関する本なのかな?と思われる方がいるかも知れませんが決してそうではありません。

サブタイトルに「〜マイルール28〜」とありますが、様々な人物が持っているマイルールを学んでいく本です。 もちろんジョブズのマイルールも登場しますが、残りは別の27人によるマイルールの紹介が続いていきます。

他人のルールは自分を縛るが、自分のルールは自分を解放する

まずは本の要約を簡単に

「最高の人生には、マイルールが必要だ。」というコンセプトのもと、28人からそれぞれ28個のマイルールを学んでいく。

スティーブ・ジョブズを筆頭に、矢沢永吉 / 心理学博士 / スティーブン・スピルバーグ / 海洋冒険家 / イチロー / お笑い芸人 / イエス・キリスト、など。 神様からホームレスまで、本当に様々なジャンルからバラエティーにとんだ人物たちからマイルールを学んでいく。勿論ルールも人によって全然違うものばかり。

まずは先人たちからのマイルールを聞き、それを参考にしながら最終的には「自分の真の幸せ」を見出し、 それを自己実現するために何を最優先事項にして生きていけば良いのかを見つめ直すための本です。

だから、ただ読み進めていけば良いというものではなく、ひとつひとつのマイルールとあなた自身の考えを向き合わせてみる事です。 そうやって自分にとっての「人生の最優先事項」を少しずつ探っていきましょう。

また、本の最終段階では「あなた自身のマイルール」を書き出す事になります。 この本は、あなたの人生において本当の幸せとは何かを明確にして、あなただけのオリジナル・マイルールを作る事が最終目的なのです。

もう一度言います。「他人のルールは自分を縛るが、自分のルールは自分を解放する」

マイルールを持とう!
一番大切なものを一番大切にする為に ──────────

マイルールを持とう!
迷うことなく自分の人生を邁進する為に ──────────

マイルールを持とう!
人生最後の日に「ああ最高に幸せな人生だったな」と胸を張れるように ──────────

スティーブ・ジョブズに学ぶマイルール:黒いタートルネックしか着ない

あなたは何の為に働いていますか?お金や生活の為でしょうか。 ジョブズはお金の為に仕事をしていた訳ではありません。 ジョブズが一度離れていたアップル社に復帰した時、会社に要求した年棒はたったの1ドルでした。

ではジョブズは何の為に働いていたのでしょうか。それは仕事仲間たちと共に「世界に衝撃を与えること」でした。 その為に生み出したものは彼にとってはすべて「作品」だったのです。

「私はアップルの経営をうまくやる為に仕事をしている訳ではない。最高のコンピューターを作る為に仕事をしているのだ。」 最高のコンピューターを作ることこそが、ジョブズの人生にとっての最優先事項でした。 だから黒のタートルネックを着ていたのです。

黒いタートルネック・リーバイスのデニム・ニューバランスのスニーカー

ジョブズは毎日その格好をしていました。これはアップルのファンじゃなくても既に多くの人が知っている事だと思います。 彼は世界に衝撃を与える為に生きている。だから「服装を考える時間」を自分の人生から削除したのです。

ジョブズは決断に迫られる大切な事が山ほどありました。その時間を生み出すために自分にとってあまり重要じゃないものを省略していったのです。

※服を選ぶ数分間ぐらい省略しなくても別に良くね?と思う方もいらっしゃるかも知れませんが、 人間が一日に使える「集中力」や「決断力」は有限だと科学的に言及されており、ジョブズは服選びにかかる「ちょっとした判断力」の消耗を惜しんだのです。

ジョブズはこう語る。「何をやるか、だけじゃなく何をやらないか、という事にも僕は誇りを持っている。」 何をしないのかを決めるのは、何をするのか決める事と同じぐらい大切である。

ジョブズは「私服の制服化」を行って最優先事項である「世界に衝撃を与えること」を一番大切にしていました。 一番大切なことを一番大切にできたら、人生から「後悔」という文字は消え去るでしょう。

1日に6万回にも及ぶ「無駄」なこと

アメリカのチョプラ医学博士によると、人は1日に6万回もアレコレと、無意識化にも無駄な考え事をしているそう。 では、その証拠に今から1分間だけ、何も考えないようにしてみて下さい。

・・・・・

はい、もうこの行間のあいだでアレコレ考えていましたよね? 私たちは1日に6万回も過去のどうでも良い事を悔やみ、分かりもしない未来の事をアレコレと心配しているのです。

しかもそのアレコレ無駄な考えの9割は昨日と同じ内容のどうでも良いことらしいです。 私たち凡人と、スティーブ・ジョブズのような天才との違いは、ここにあります。

ではこう考えてみましょう。私たちは1日に6万本の「意識の矢」を持っていると。 凡人はその6万本の矢をどうでも良いところに放っている。

その一方で天才と呼ばれるような人たちは、その6万本の矢のほとんどを自分が目指すべき場所へ向かって放っている。 たったそれだけの違いなのです。ズバ抜けた才能の差があるのではなく「意識の差」なのです。

6万本の意識の矢

マイルール作りの為の質問を1つ、あなたに投げかけます。

「あなたにとって、真の幸せとは何でしょうか?」今、この問いに答えられなくても大丈夫です。 しかし、もしすぐに答える事が出来なかったのなら、一度人生をしっかり見つめ直す必要があるかも知れません。

行き先を決めない事には電車のチケットすら買えないのです。ならば行きたいところへ行けないのも当然なのです。 しかしルールがあれば決して迷いません。ルールがあれば「何をやらないか」も自ずと明確になります。

あなたは何をやめますか? ──────────

紀里谷和明に学ぶマイルール:「この為なら死んでもいい」と思う事をやる

※紀里谷和明(きりやかずあき)は日本の映画監督、写真家。 元妻にシンガーソングライターの宇多田ヒカルを持つ。(ウィキペディア)

「好きな事だけをして飯を食っていけるのか?」あなたはどう思いますか? カメラマンを初めて間もなかった頃の紀里谷さんも、この命題にぶつかった。

彼は純粋に美しいイメージが作れたら良いという感覚で写真を撮っていたそう。でもお金を稼いで食べていかなければいけない。 果たして写真家として食べていけるのだろうか。

それでどういった写真がお金になるのか調べて、モノクロ写真を撮ったり、 白背景の写真ばかり撮ったり、流行を追いかけてみましたが、全然うまくいきませんでした。

そんな折、ある監督から写真の仕事を依頼されます。「どういう写真が欲しいのか」と質問してみると、 「自分の好きな写真を撮れ」と答える。それでは食っていけないと感じた紀里谷さんは反論しました。

すると監督からこう言われたそうです。「好きな写真の為に飢え死にすればいいじゃないか」 その言葉がストンと腑に落ちてスイッチが入った。紀里谷さんが生まれ変わった瞬間でした。

これが「キャシャーン」「ゴエモン」「ラスト・ナイツ」などを生み出した映画監督としての 紀里谷さんの原点となった出来事でした。

飢え死にから生まれた価値観

江戸時代中期に書かれた「葉隠(はがくれ)」は武士道の源流となった書物です。その中には 「武士道とは死ぬ事を見つけたり」という言葉が出てきます。

「サムライ」の語源は「さぶらふ = 大切なものを守る」という意味です。 これを守る為なら死すらいとわない。それが見つかった時、人はサムライになれるのです。

映画監督としてのデビュー作「キャシャーン」は多くの難題と困難が立ちはだかりました。 「予算がない」「時間がない」「人が足りない」「ハリウッドならまだしも、日本では無理」

しかし紀里谷さんは諦める事なく、はなから世界をマーケットとして考えて映画の撮影に挑みました。 何故ならその為なら死んでもいいと思っている仕事なのだから。

思いつく限りの事は全部やる。サイト制作・パンフレット作り・劇場での挨拶・チラシ配り、監督自らすべて行いました。 その結果「キャシャーン」は世界102ヵ国に配給権が売れたのです。

死を覚悟すると見えてくるもの

「俺は本当、写真撮れるんだったら死んでもいいと思った、本当に。死んでもいい、その為だったら。今でも思ってる。明日死んでも全然OK。 本当にそう思ってる。全然死んでもいい。いつでも命差しだします。そうなればさ、リスクとかどうでも良いよね。何を心配して何のリスクがあるんですか?」

人間は「死」と真剣に向き合った時、とんでもない底力を発揮します。「死」を原動力にして頑張る方法は別の書籍でまとめていますので宜しければそちらもドウゾ。 「あした死ぬかもよ?」の解説と要約&あらすじ・内容の説明と感想レビュー

才能や経験なんか誰も最初から持ってないんです。そもそも最初からあるはずがないんです。そんなのは後から全部ついてきます。 命を懸けて情熱さえ差し出せば後から全部ついてきます。情熱を差し出して、あとは一点めがけて、一点突破するだけです。

マイルール作りの為の質問を1つ、あなたに投げかけます。

あなたの「好き」は「これの為なら死んでもいい」と思えるものでしょうか? そう思えるものを紙に書きだしたり、頭に思い浮かべてみましょう。 好きなものの為に飢え死にしたっていい。この世界はそれぐらい打ち込むに値する場所なのです。

あなたの「好き」は一体なんですか? ──────────

ホームレス小谷に学ぶマイルール:「自分の1日を50円で売る」

お笑い芸人のキングコング西野さんがひらいた絵本原画展のギャラリーにその男はいました。 赤いニット帽に赤いジャージ、そして良く分からない物がジャラジャラついたエプロン姿という出で立ち。

ギャラリー会場に全然そぐわない明るぎるオーラとテンションでその場を盛り上げようとしていました。 それを見た瞬間に感じ取りました。

絶対やべー奴だわ、これ。

「スタッフさんですか?」と、思い切って声をかけてみると、「スタッフと言いますか、ホームレスです。」「えっ?ホームレス?」 「ええ、今日はお手伝い来てるんですよ。ギャラは1日50円ですけど。僕ね、自分の1日を50円で売ってるんですよ。」

間違いなくやべー奴だわ。

ホームレスの小谷さん

日給50円で何でもやる男、それがホームレスの小谷さんです。1日50円という事は最高月収で1500円の稼ぎです。 当然、その程度のお金じゃ普通に考えればとても生きていく事なんて出来ません。

しかしこの男、ホームレスになってから10kg太ってます。ホームレスになってから可愛い彼女を見つけ、結婚し、豪華な結婚式まで挙げました。 ホームレスになってから、フィリピンの被災地に100万円を寄付しています。ホームレスになってから自伝も出版しているのです。

つまり小谷さんは、ホームレスになってからめちゃくちゃ幸せになっているのです。これはホームレスになってから、たったの1年半の間に起きた出来後です。 どういうカラクリがあるのでしょうか?

小谷さんの過去

お笑い芸人を10年続けた小谷さん。しかしまったく売れずにコンビ解散。小谷さんはラストチャンスを賭けて上京し、キングコング西野さんの家に転がり込む。 部屋を1ついただいて家賃4万。しかし2か月連続で滞納してしまいます。その時、西野さんにこう言われたのだとか。

「お前、今日からホームレスになりな。」「ホームレスですか?」「大丈夫、その方が絶対に上手くいくから!」 失うものは何もない。小谷さんはアドバイスに従ってホームレスになる事に決めました。この時30歳です。

「ネットで小谷ショップを立ち上げたらええねん。」「僕、売る物なんて持ってませんよ。」「自分の1日を売ればええねん。自分人身売買の店や(笑)」 小谷さんは芸人生活をフェードアウトさせ、自分の1日を売るお店「株式会社 住所不定」をオープンさせる。

引っ越しの手伝い。庭の草むしり。ペンキ塗り。ライブの出待ちの付き添い。飲み会の人数調整。鬱病患者の話し相手。ヌードモデル・・・。 どんな依頼にも50円で食らいついた小谷さんの1日は飛ぶように売れていきました。しかし月給はどれだけ頑張っても1500円です。

軌道に乗り始めるホームレス生活

しかし不思議なことが起こり始めます。朝から草むしりをしていると「さすがに悪いので」と依頼主さんが昼ご飯をご馳走してくれました。 作業が夜にまで及ぶと「頑張ってくれてありがとう」と今度は夜ご飯をご馳走してくれました。

朝~昼~夜を共にすると、すっかり仲良くなり、そのあとは呑みに連れて行ってもらえました。さらに夜が深まると家に泊めてもらえたそうです。

そんな調子で1日50円生活を過ごしていました。ツイッターで何気なしに「腹減った」とツイートしてみると、 「今から飯行く?おごるよ」「それよりアンタ、今夜泊まる場所あんの?なかったらウチにおいで」というコメントが届くようになりました。

それらのコメントはすべて、これまで50円で買って下さった依頼主たちでした。気付けば1ヶ月間、自分のお金を使わず生きていたのです。 それどころか、みんなからご馳走になっていたので太ってしまい、ズボンが入らなくなるほど。

小谷さんはツイッターで「最悪や。太ってズボンが入らんくなった。」とツイート。 すると翌日には、過去の依頼主さんからズボンを買ってもらえたそうです。

運命を変える名古屋からの依頼

名古屋に住む女性から「鬼ごっこをして欲しい」という依頼が来ました。マイルール通り、50円で依頼を引き受けます。 2人で鬼ごっこをした後、依頼主の女性はそのまま大阪のイベントに行く予定だった小谷さんの新幹線代を払って一緒について来たそうです。

そして友人と飲む事になったその席で「もう2人は、付き合っちゃえば?」という話に。しかし「付き合うのは嫌」と依頼主の女性。 「でも面白そうだから結婚だったらいい」そう言われた小谷さんはドン・キホーテへ印鑑と指輪を買いに行き、そして区役所の夜間窓口に婚姻届を出したそう。

こうして小谷さんは結婚するのですが、結婚資金なんてありません。そこでネット上でクラウドファンディングで資金を集める事に挑戦しました。 目標金額150万円。するとなんと3週間で目標金額を達成したのです。

誰がこんなにお金を出してくれたのでしょう?それは、これまで1日50円で買ったお客さんたちです。 「あの時、50円で一生懸命働いてくれた」と、皆こぞってお金を出してくれたのです。

その頃は首からも募金箱をぶら下げて歩き回っていたので、最終的にはなんと220万円も集まってお金が余ってしまったので 100万円をフィリピンの被災地に寄付したのです。

小谷さんの人柄

小谷さんは50円で一生懸命に働くので、お客さんからの感謝と信頼が貯まっていきました。 小谷さんはお金持ちではありませんが「信用持ち」になったのです。小谷さんはこう言います。

「ホームレスになった時、人生が終わったと思った。でもどうだ?蓋を開けてみれば、毎日誰かに会えて、毎日ご飯が食べられて、最近は寝床まで提供してもらえる。 国境を越えても同じ。こちらが笑えば、笑ってもらえて、また笑える。なんだ、十分幸せじゃないか。」

試しにメールで車の洗車を小谷さんに依頼してみました。すると、すぐにこう返信があった。「おもしろそうですね!」 この一言に小谷さんの愛される秘密があると感じました。普通は1日50円で働くなんてイヤイヤ感が出るものです。

でも小谷さんは喜んでいる。楽しんでいる。たった50円で喜んであなたを助けてくれる。それは恩返ししたくなる訳です。 もしもイヤイヤやっていたら、絶対にここまで応援される事はなかったでしょう。

マイルール作りの為の質問を1つ、あなたに投げかけます。

「どうしたら儲かるか?」という発想をやめて「どうしたら喜ばれるか?」に切り替えましょう。 お金を集めるのではなく感謝と信頼、「ありがとう」を集めるのです。

あなたは誰に何をしたら「ありがとう」と感謝されますか? ──────────

タイガー・ウッズに学ぶマイルール:「ライバルの成功を願う」

2005年、アメリカンエキスプレス選手権の最終日。勝負がつかず延長に入ったプレーオフ。 先にパットを決めたタイガー・ウッズ。ライバルのジョン・デイリーが一打差で追いかけます。

最後の一打が入ればウッズと並びます。外せばそこでウッズの優勝が決まります。 さあライバルのジョンのパットです。この時ウッズは心の奥底から強く願ったそうです。

外れろ。

外れろ!

外れろーーーーー!!!!

ではなく、この時、「ジョン!入れろ!」と。ウッズは相手の成功を祈っていたのです。 しかしジョンはパットを外しました。この瞬間、ウッズの優勝が決まりました。ところがウッズの顔は悲しそうでした。

直後の優勝インタビューで「優勝したのに何故あんなに悲しそうな表情を?」と質問されたウッズはこう答えた。 「ジョンのパットが外れたことが悲しかったんだ」

ウッズはただ勝てれば良いとは考えていません。彼の目標は、ライバルが最高のパフォーマンスを発揮した上で、自分はさらにその上をいって勝つというシナリオなのです。 そして、この「ライバルの成功を願う」というルール、実は脳科学的にも素晴らしい効果を生んでいる事で知られています。

脳科学的にも正しいタイガー・ウッズのマイルール

ライバルに悪い事が起きるようにネガティブな願いや祈りを持てば、その願いはそのまま自分にも向き、 ストレス物質のコルチゾールが分泌され、脳に悪影響を与えるのです。

逆に、ライバルに良い事が起きるようにポジティブな願いを持てば、その願いはそのまま自分にも向きます。 ドーパミン・ベータエンドルフィン・オキシトシンなど多幸感をもたらす脳内快感物質が分泌され、脳を活性化してくれるのです。

他人にポジティブな願いを持つ事も、うまくいくように祈る事も、親切にする事も、褒める事も、 すべて自分にブーメランのように戻ってきて、良い影響をもたらしてくれるのです。つまり、「他人の為は自分の為」なのです。

人の悪口を言ったり、テレビを見ながら文句を言ったり、そうやってストレスを解消しているつもりでも、実は同時に自分を傷付けているんです。 脳は誰に対して言ってる悪口なのか、自分自身に対する悪口なのかが判断できません。脳はとても賢い反面、こういったマヌケな一面があるのです。

マイルール作りの為の質問を1つ、あなたに投げかけます。

感謝されたいなら、まず感謝する。褒められたいなら、まず褒める。頑張りを認めて欲しいなら、あなたから先に認めてあげればいいのです。 もちろんそれはライバルに対しても、です。

あなたから先に欲しい物を投げかけてあげれば良いのです。 あなたが与えたものが、この人生で受け取れるものです。これがブーメランの法則です。

あなたは人にどうされたら嬉しいですか? ──────────

本田宗一郎に学ぶマイルール:「たった一人を喜ばせる」

ホンダの創業者である本田宗一郎は、たった一人の愛する妻の為につくったものが、結果的に6千万人を喜ばせる事になった。 それが史上最高のバイクとの呼び声も高い「スーパーカブ」です。日本でも街中の至る所でスーパーカブに乗る人を見かけます。

自転車を漕いで、遠くまで買い物に向かう妻を見て、本田宗一郎はこう思ったのです。 「大変そうだな、妻をラクにさせてあげたいな」と。自転車にエンジンを搭載する事を思いついて、補助エンジンを取り付けたのがカブの始まりです。

妻の為だから、女性が乗りやすいように操作を簡単にした。当時の女性たちはモンペを履いていたので、乗っても油が付かないように改良も加えた。 経済面にも配慮して、燃費の良さも追及した。すべて「妻をラクにさせてあげたい」という思いから生まれました。

本田宗一郎のものづくりに対するマイルールは「人に喜ばれるものを、幸せにするものを!」。 何を作るにしても、常にこのことを第一に考えていたそうです。その想いこそ、人間の可能性を大きく開くカギになるのです。

たった一人の為につくられたものが革命を起こす

「奇跡のリンゴ」という映画をご存じでしょうか?この映画はリンゴの無農薬栽培に世界で初めて成功した木村秋則さんという方が元になっています。 この「奇跡のリンゴ」が誕生したのも本田と同じく奥様の為でした。

農薬で皮膚が炎症を起こしてしまう妻を助ける為に、10年間もの長い年月をかけて、無農薬でのリンゴ栽培を成功させたのです。 愛する妻の為に。人を愛する想いが革新的な発明を生み出す事が往々にして起こりえるのです。

マイルール作りの為の質問を1つ、あなたに投げかけます。

たった一人でいい。どんな小さい事だっていい。大切な人を幸せにする為に、出来る事から始めていこう。

さあ、あなたは何から始めますか? ──────────

自分の人生のマイルールをつくろう

さあ、いよいよ最後の仕上げです。あなた自身の人生のマイルールをつくる時間がやってきました。 自分にとって「何が真の幸せなのか」が明確になっていないとマイルールは生まれません。

真の幸せに気付き、その幸せを実現させる為に何を一番大切にするのか、そこから生まれるのがマイルールです。 今回、本の中から一部の人物を抜粋し、いろんなマイルールをご紹介しましたが、改めて最後にこの質問をあなたに贈ります。

超高層ビルの間に幅20cmの鉄の橋

マイルール作りの為に、最後に2つ質問をあなたに投げかけます。

2つの超高層ビルの間に幅20cmの鉄の橋がかかっているとします。あなたは何の為であれば、その橋を渡っても良いと思いますか? お金でしょうか?名声でしょうか?

最高の仕事をする為なら渡れるでしょうか?自分の夢を叶える為なら渡れるでしょか? さあ、何の為ならそこを渡る事が出来るでしょうか。

そしてもう1つの質問。誰の為なら、その橋を渡っても良いと思いますか? 愛する人の為なら渡れるでしょうか?クライアントの為なら渡れるでしょうか?言葉を変えるなら、こうなります。

「何の為なら死ねますか?自分にとって真の幸せとは何ですか?」 これは自分の幸せを見つける為の問いです。

「誰にとって、どんな存在でありたいのか?」 これはあなたが生きる事で、誰をどんな風に幸せにしたいのかを見つける為の問いです。

これら2つの問いの答えを紙に書きだしたり、頭で思い描いてみて下さい。そこに出た答えを実現する上で、あなたは何をしていけば良いでしょうか? 何を大切にすれば良いでしょうか?あなたが大切にしたい事をルールにしてみましょう。

すべては、あなたの人生を最高に愉しむために!

なぜジョブズは、黒いタートルネックしか着なかったのか?の書評と感想

自分は「何のために生きるのか?」「誰のために生きるのか?」これは人生において、とても大きな命題です。 「生きる事に意味なんてない」と考える人もいるでしょう、どちらかと言うと私もそちら側の人間です。

「人は何故生きるのか」どれだけ考えても明確な答えが出ないような質問ですが、その答えを導き出すようにアシストしてくれるのが、この 「なぜジョブズは、黒いタートルネックしか着なかったのか?」だったように思います。

正直に言うと私は自分の「人生のマイルール」を完成させる事が出来ませんでした。この本を読むのは、私にとってまだ早かったのかも知れません。 でもいろんな人の人生のマイルールや信念を垣間見ることが出来たのは大きな収穫でした。

本を読み終えると、「自分も負けないように頑張らなきゃな!人生楽しまなきゃな!」とポジティブな気持ちになれました。 このページを読んであなたも何か収穫があれば幸いです。それではまた次回の書籍レビューでお会いしましょう。 最後までご覧いただきまして誠にありがとうございました。