生きていくあなたへ - 日野原 重明

「生きていくあなたへ」の解説と要約&あらすじ・内容の説明と感想レビュー

「生きていくあなたへ」は2017年に初版発行された本で、105歳の医師、日野原重明さんが、死の直前まで語った、希望と感謝の対話20時間を収録した本。 最後の力を振り絞り伝えたかった言葉。渾身最期の一冊。

日野原重明さんは他にも様々な本を出版されていますが、この本がお亡くなりになられる前に出版された最後の作品となります。 話題沸騰でたちまち10万部を売り上げたヒット本です。

アマゾンの書籍レビューでも4.5以上の高評価をつけていて読者の皆様からも評判も上々のようです。

今、最後の力を振り絞って私がしたいのは、あなたとの対話です。人生の中で、いつも私と共にあったのは言葉でした。 私が言葉によって支えられてきたように、迷い傷ついたあなたへ、私の最期の言葉を伝えたいのです。

はじめに

私がこの本を手に取ったキッカケは「105歳という人生の酸いも甘いも知り尽くした大先輩からは多くの学べる金言が詰め込まれているだろう」 という動機でした。

そして、まず結論からご説明させて頂きたいのですが、この本は最後まで読み終える事が出来ませんでした。 私は10冊に1冊ほどの確率で完読できない本と出合います。言葉を選ばずにいうなら私にとっての「ハズレ本」です。

私なりにこの本を途中まで読んでみて、「良本だった」と思える人とはどんな人たちなのかを分析してみました。

著者の日野原重明さんが書いた別の本を読んだ事がある人・本を読む時点である程度の年齢を重ねたご老人である事・ そしてキリスト教を信仰しているクリスチャンである事。

この3点のうち、どれかを満たしている人であれば満足度が高いのではないかと思いました。

私の場合は、この本を手にとった時点で著者の日野原重明さんの事を一切知らなかったこと。本を読んだ時点で30代半ばの年齢だったこと。 そして、これが一番大きな理由なのですが私はクリスチャンではない事、でした。

本の内容

この本は日野原重明さんとインタビュアーの方の対話形式(質問形式)の構成が採用されています。

質問としては「死ぬのは怖くないですか?」「長生き出来て幸せですか?」 という105歳のご長寿に是非、自分も聞いてみたいと思える質問内容でした。

他にも「愛とはなんですか?」「人を許す事は難しいですか?」など、とても魅力的な質問をインタビュアーの方は用意されていて、 質問に対して105歳のご長寿からは果たしてどんな回答が返ってくるのか、とても興味津々でした。

質問に対する日野原重明さんの回答

質問に対する回答には、大きな共通点がありました。それは日野原重明さんが「105歳」という立場で回答しているというよりも 「クリスチャン」として、キリスト教の信者としての回答が大半だったという事です。

例えば、「死ぬのは怖くないのですか?」という質問に対しては「イエス・キリストでさえ十字架の刑にあわれる前に~」といった感じです。

他にも、「命とはどんな物ですか?」という質問に対しては「聖書にこんな言葉があります。明日の事まで思い悩むな~」といった具合です。

一般的な無宗教の方や、ほどほどの浄土真宗の方と比べて、クリスチャン色が強すぎて、ちょくちょくキリスト教や聖書の記述などを 回答に織り交ぜてお話しになられるので、特にキリスト教の信者ではない私にとってはノイズとして認識されてしまいました。

この本や、日野原重明さんの大ファンの読者の方には申し訳ありませんが、これが私の素直な感想でした。 受け止め方や、感じ方は人それぞれという事でご容赦していただけますと幸いです。

「生きていくあなたへ」の書評と感想

この本の表紙、ウラ表紙、そして目次を目に通した時、とても魅力的な内容の本だと思って興味を持ちました。 その時点では日野原重明さんがキリスト教の事をとても信仰されているといった旨の記述は一切見つかりませんでした。

アマゾンでの書籍レビューでも高評価を付けていた事も手伝って、この本を購入するに至りました。 もしも宗教に関する記述が表紙や目次の中にあれば、購入は控えていたと思いますし、私みたいな「ミスマッチ」を防げたんじゃないかと思いました。

この辺りは出版社側に対して不親切に感じてしまいました。著者に対する私の知識不足という事も勿論ありますが、 せめて帯の部分でもいいので「キリスト教」「聖書」「クリスチャン」などと明記していて欲しかったです。

ご用意されていたインタビュアーの質問はとても魅力的なものが多かっただけに、個人的には非常にもったいない結果となってしまい残念でした。 それではまた次回の書籍レビューでお会いしましょう。 最後までご覧いただきまして誠にありがとうございました。