心のブレーキの外し方 - 石井裕之

「心のブレーキの外し方」の解説と要約&内容の説明と感想レビュー

「心のブレーキ」の外し方~仕事とプライベートに効く7つの心理セラピー~は、2006年に初版発行され、35万部を売り上げた大ヒット作品です。 潜在意識のコントロール方法を学び、「心のブレーキ」を外して「行動」を変え、そして「人生」を変える方法を教えてくれます。

潜在意識は無意識の領域ですが、潜在意識のメカニズムを正しく知ると、その無意識の領域をコントロール出来るようになります。 頭では分かっていても、行動できない原因はすべて潜在意識によるものなのです。

著者である石井裕之さんは「セラピスト」です。石井さんが手がけるセラピーやセミナーは半年待ちの状態。 この「心のブレーキ」の外し方を学び、そして実践すれば、石井さんのセラピーを受けるのと同様の効果があります。

読者を鼓舞してモチベーションを上げてくれる本や、行動心理学のテクニックを利用した本はたくさんありますが、 「潜在意識」のメカニズムを用いた方法を教えてくれる本は珍しいです。是非このページで「心のブレーキ」の外し方を学んでいって下さい。

はじめに

あなたには実現したい夢とか目標とか、こんな風になれたら良いなぁという憧れている何かがありますか? もし、そういう願望が全然なくて、今の人生や自分の在り方に満足しているのなら、この情報はあまり役に立ちません。

どうしてかというと、これからご紹介する情報は、知識を学ぶためとか、楽しむための情報ではなく、 あなたの目標をかなえるため、夢を実現するため、その為だけに特化した情報だからです。

そうは言っても良くある自己啓発書のように「自信を持とう!」「ヤル気を出そう!」みたいな、 あなたの気持ちを鼓舞したいわけではありません。ここでお伝えすることは「方法論」だけです。

このページを読み進めていくにあたって

誤解を恐れずに言うと、これからご紹介させて頂く「心のブレーキ」の外し方は、 奇をてらった言い方や、スッと素直に受け入れられないような主張を含んでいます。

情報を知れば「もうその価値が分かった」ような気になってしまう人がいます。 著者が何年もの経験を通して知り得た事を語っていても、それを一度聞いただけで情報の良し悪しを判断してしまう。

ネットが発達して情報過多の時代、現代ではどれだけ速く本が読めるかが、頭のいい証拠だと信じている人が多い。 時間をかけずにサラッと一回だけ読んで、また次の情報を追い求めに行く。そんな風にかき集めた情報でいったい何が出来るのでしょうか。

例えば愛する人からのラブレターを速読術を用いて読む人がいるでしょうか?あなたが情報を得る為だけにこのページを開いたのなら、 きっと数分で読み終わるでしょう。しかし、きちんと思いを感じ取ってくれる為にページを開いてくれたのなら、この情報に終わりはありません。

仕事に挫折してしまった時、人間関係に疲弊した時、生きる価値を見失った時、 あなたはこのページの情報を読み返して、わずかでも「支え」を汲みだしてくれるでしょう。

「心のブレーキ」の外し方は、時間と空間を超えて、いつでもあなたを待っています。 そう、「潜在意識」には時間も空間もないのですから。

気持ちを鼓舞する行為について

成功者の本を読んで、とても興奮する。「よし、今日から俺も頑張るぞ!俺にもできるはずだ!」と思う。 しかし、一週間も経過すると、すっかりその熱も冷めてしまいます。いつも通りの自分に戻っている。

そしてまた、別の刺激を求めて、新刊書をあさったり、セミナーにお金をつぎ込んだりする。

感動する映画だと言われて観に行く。涙を流しながら感動する。「ああ、私も今日から人に優しくしよう。毎日を感謝して過ごそう」と心に誓う。 そして数日もすれば、ちょっとした事にイライラして人に強くあたってしまう、いつもの自分に戻っている。

こんな感じで、ヤル気になる事は簡単だけど、ヤル気を常に燃やし続けることは難しい。 「途中で挫折した英語教材」「買っただけの健康器具」「積ん読の本」など、あなたにも心当たりがあるはずです。

どうしてヤル気はすぐに燃え尽きてしまうのか?どうして感動はすぐに冷めてしまうのか? それは、あなたが持っている「心のブレーキ」が働いてしまうからです。

「心のブレーキ」の正体を見極める事さえできれば、逆にそれを利用して、ヤル気や感動を燃やし続ける事ができる。 という事はスムーズに目標や夢を実現していくことが可能になるのです。

あなたが無意識のうちに動かしていた「心のブレーキ」を外し、よりハッピーな人生を実現する為のお手伝いをします。 このブレーキを手なずけるヒントはあなたの「潜在意識」にあります。要するにあなたのもうひとつの心です。

スタートはゆっくり丁寧にやる

金持ちはなぜ金持ちなのか?モテる人はなぜモテるのか?幸せな人はなぜ幸せなのか?その秘密を一言でお教えします。 覚悟して聞いて下さい。

金持ちはなぜ金持ちなのかというと、金持ちだからです。モテる人はなぜモテるのかというと、モテる人だからです。 幸せな人はなぜ幸せなのかというと、幸せだからです。

当たり前の事を言うな、訳が分からない!思われたかも知れません。勿論あなたを翻弄しようとしている訳ではありません。 とても重要な考え方がここに隠れているのです。もうちょっと詳しく説明します。

一定に保とうとする人間の本能

人間の身体は、急激な気温の変化から自分を守る為、できるだけ体温を一定に保とうとします。 当たり前の話ですが、暑くなれば汗をかいて体温を下げようとしますし、寒くなれば身体を震わせて熱を出そうとします。

それと同じように潜在意識も、急激な環境の変化から自分を守る為に、できるだけ現状を維持しようとするのです。 だから金持ちの人の潜在意識は、できるだけ金持ちのままでいようとする。 身体が平熱を維持しようとするのと同様に、現在の豊かさのレベルを維持しようと潜在意識が働きます。

具体的にどのように働くのかというと、例えば「何となく」選んだ仕事が大きな金儲けのチャンスにつながったりする。 財産を失うような危険が迫っても、なんとなく、それを避けて通ってしまう。そんな風に潜在意識が「導いて」くれるのです。

潜在意識はあなたの貧乏を維持したい

同じ理屈で、貧乏な人の潜在意識は、できるだけ今の貧乏を維持しようとする。 だからお金を稼ぐチャンスが訪れても、「何となく」それから逃げてしまう。

自分でも後から考えれば、「あの仕事、チャンスだったのに、どうしてやらなかったんだろう」と首を傾げてしまうけど、 その時は「何となく」怖くなってしまったり、「何となく」つまらない仕事のように思えてしまう。これも潜在意識があなたを導いた結果です。

「いくらなんでも貧乏を維持するなんて馬鹿げている」とあなたは思うかも知れません。しかし、どんなに貧乏でも、少なくても昨日と同じように貧乏な訳です。 だから潜在意識は「安心」するのです。

今まで慎ましく暮らしていた人が急に高額の宝くじに当選した事をキッカケに、それからの人生がボロボロになったという話がありますが、 潜在意識はそういう「急激な変化」を避ける為に最大限の努力をします。

「金持ちが良くて貧乏は悪いこと」といった区別は潜在意識には一切ありません。単純にメカニズムとして現状維持をしようとする。 昨日までのあなたを維持する。それが潜在意識の重要な任務のひとつだからです。こうして潜在意識はあなたを守ろうとしてくれているのです。

これで、「金持ちはなぜ金持ちなのかというと、金持ちだからです。」といった理由が理解して頂けたでしょうか。 金持ちが金持ちなのも、貧乏人が貧乏なのも、潜在意識としては同じこと。単に現状維持の結果なのです。

マリッジ・ブルーはなぜ起こるのか

愛する人と結婚する直前になって、「本当にこの人でいいのかしら?」という迷いが生じてきます。 私にはこの人以外は考えられないと思っていたのにも関わらず、です。

こういったマリッジ・ブルーの心理も、潜在意識の「現状維持メカニズム」が作用していると考えれば納得できます。 独身のあなたの潜在意識は、できるだけ独身の状態を維持しようとあなたを導いているという訳です。

誰もが前向きに前進したいと思っている。少しでも成長したいと思っている。にも関わらず、心にストップがかかってしまうのは、 こんな風に潜在意識が現状を維持しようとするからです。潜在意識に悪意はありません。ただあなたを守ってくれようとしているだけです。

現状維持を破る方法

今の自分からステップアップしようとする時には、潜在意識の現状維持メカニズムが足かせとなってしまいます。 足かけを取っ払うシンプルな方法があります。潜在意識を新しい自分に徐々に慣らしていけばいいのです。

止まっている車はできるだけ止まっていようとします。最初に車を動かし始める時には大きなエネルギーが必要になります。 だからゆっくりと車を動かし始める必要があります。

そしていったん車が動き出して加速がつくと、今度は止める事の方が大変になってきます。 軽くブレーキを踏み込んだだけでは止まらない。停止させるには相当のエネルギーが必要になります。

最初の一歩こそ、一番大きなエネルギーが必要なのです。この当たり前の事実の重要さを改めて認識して下さい。 この事実を無視して努力を「均等割り」で考えてしまうとうまくいかなくなります。

例えば英語をマスターしようと、100ページの英語教材を10日で読もうと目標を立てたとします。 均等割りで考えると、「1日に10ページずつ読み進めれば、目標が達成できる」と考えてしまいます。

しかしこれではモチベーションが下がってしまって当たり前なのです。 いきなり10ページも読もうとすると、現状維持のメカニズムが元に戻そうと働きかけてくるのです。

1日目は1ページで充分、2日目は2~3ページで充分なのです。言ってみれば準備体操のようなものです。 こうやって「英語を勉強する自分」に慣れてきます。慣れる事で安心し、安心すればスピードが加速していきます。

あくまでこの例は10日間だけなので、根気強い人であれば均等割りの方法でも3日坊主にならずに目標達成できるかも知れません。 しかしこれが「1ヶ月」「半年」「1年」のスパンではどうでしょう?均等割りの努力は長期間に及ぶほど難しくなってきます。

そして目標が大きければ大きいほど、潜在意識の現状維持メカニズムは強く働きかけてきます。だから最初の成果は本当に見えないぐらい小さい方がいい。 しかしその、「わずか」が実はものすごく大きなことを実現する為の原動力になるのです。

※行動心理学の観点からも「初期状態維持」の法則や、「最初の一歩は見えないぐらい小さく」という方法論が語られています。興味がある方はコチラの記事もどうぞ。 「めんどくさいがなくなる本」の解説と要約&あらすじ・内容の説明と感想レビュー

なぜヤル気は長続きしないのか?

例えばボクシング映画の「ロッキー」を観て、感動する。「俺も生ぬるい毎日を生きていちゃダメだ!」などと刺激される。 でも、せいぜい3日もすればすっかり元にの自分に戻ってします。

その一方で、その興奮をずっと燃やし続けられる人も存在します。「ロッキー」を観て感動し、それからボクシングをはじめ、 努力を積み重ねてボクシングのチャンピオンになる人だっているでしょう。

興奮が3日しか続かない人と、そのモチベーションをずっと燃やし続けられる人の違いはどのにあるのでしょうか。 モチベーションが3日で低下してしまう人は、決まってある勘違いをしています。

それは、「感情は放っておいても持続するもの」だと思い込んでいるのです。 例えば、朝の通勤電車でちょっと嫌な出来事があってイライラしても、午後になればすっかり忘れています。 どんな不愉快な気分も一週間も引きずる事は稀です。

消えゆく感情を定着される唯一の方法

例えば、誰かの電話番号を聞いたとしましょう。まず、何をしますか?番号を紙にメモするなり、携帯のメモリーに登録するのではないですか? そうしないと、きっと忘れてしまうからです。

感情も同じです。感情が消えてしまう前に同じように、定着させる為の措置をとる必要があります。 消えゆく感情を定着させる唯一の方法は「その感情を行動に変える」ことです。

気分が高揚すれば、それをその場で行動に変えるのです。 モチベーションを燃やし続ける事が出来る人は、何かの本を読んで「これは素晴らしい」と感じて、すぐにそれを行動に移せる人なのです。

モチベーションが続かない人は、本を読んで刺激を受けても「期待より良い本だったな」そう思うだけで終わってしまう。 せいぜい「本に書かれていた内容を、その内やってみよう」と思う程度なのです。

あなたもご存じの通り、「そのうち」なんてものは、まず訪れない。 訪れもしない「そのうち」を待っている間に、せっかく高揚した気持ちも冷めてしまうのです。

受動的から能動的へ

映画を観て「感動する」のも、本を読んで「素晴らしいと感じる」のも、いわば与えられた受動的な体験です。 それに対して、その後に行動に移すという行為は自らが行う能動的な体験です。

感情は受動的です。行動は能動的です。放っておけば数日で消えてしまう感情を、行動に変えることによって「定着・習慣化」させる事が出来ます。 それは受動的な体験を能動的な体験にシフトしたからです。

今までは車の助手席に乗せられていた受動的なあなたが、運転席へ移って能動的にハンドルを握るようなものです。 目的地へ生きたければ行けば良いし、休憩したければ休憩できる。あなた自身でドライブ出来るようになります。

私の実体験

私は新卒で大企業のサラリーマンとして社会人の第一歩を踏み出しました。 社会人になった初日に、本部長が新入社員への挨拶の中でこんな話をしてくれました。

社会人となった皆さんに実行して欲しい事がひとつあります。 皆さんを今まで育ててくれた人、その人に皆さんの初任給から何かを買ってプレゼントしてあげて下さい。

ちょっとした小銭入れでもハンカチでも何でもいいんですよ。 昨日までは学生だったから「ありがとう」とただ言葉で言えるだけで立派だった。

でもこれからは感謝の気持ちを形で残さなくてはならない。 それが社会人というものなんです。

当時の私には、この話はピンとこなかった。「感謝っていうのはモノじゃなくて気持ちが大切なんじゃないのか?」という疑問を抱きました。 本部長の話はそれほど重要な話だとは思えなかったのです。

なぜ感謝の気持ちを小銭入れやハンカチなどの形にする必要があるのか? この話に込められた重要なメッセージが今ならハッキリと理解できます。そこには重要な潜在意識的な根拠があったのです。

感謝の気持ちを「ありがたいなぁ」と感じる。でもそれは一時的な感情に過ぎないから数日も経てば消えてしまう。 しかしプレゼントを贈るという能動的な行動に変えることで、「ありがたいなぁ」という感謝の気持ちを燃やし続ける事が出来るのです。

ありがたいと感じたら、その感謝を形にして自分のものにする。反省したら、その反省を形にして自分のものにする。 憧れを感じたら、その夢を形にして自分のものにする。自分のものにする為には感情を能動的な行動に変えるしかないのです。

この記事を読んで少しでも「なるほど」と思ったのなら、その気持ちが消えない内に何かの行動に変えて下さい。 このページを閉じたら、すぐにその気持ちを行動として形にするのです。そして自分のものにして下さい。

潜在意識は答えを求め続ける

「ド忘れ」という現象があります。知っているはずなのに思い出せない。例えば友達と話していて、昔のアイドルの話題になったとします。 あなたも友達もド忘れしてしまって、その芸能人の名前がどうしても思い出せない。

「確か"マ"なんとかだったよなぁ・・マツダ?マツモト?いや違うよなぁ」頭を振り絞っても一向に出てこない。 結局「まぁ別にどうでもいっか」となって別の話題へと流れていく。

ところが、友達と別れて帰宅し、ひとりでお風呂にゆっくり浸かっていると「あ!松浦あやだ!」と、唐突にあの名前が出てきた。

思い出そうと一生懸命に考えている時にはまったく浮かんでこなかったのに、そんな事はもうすっかり忘れてしまった頃になって 突然天から降ってきたようにポンっと正解が飛び出てくる。こういう事は誰でも経験している事だと思います。

潜在意識のメカニズム

つまり、何が言いたいのかというと、意識が考えるのをとっくに止めてしまった後も潜在意識は答えを探し求めている、という事です。 そしてこれは極めて重要な事なのですが、意識と違って、潜在意識は答えが見つかるまでストップしないのです。

意識では「アイドルの名前なんて、どうでもいいや」と思っても、潜在意識はひたすらバカ正直に答えを検索し続けます。 ヒットするまではいつまででも検索を続けるのです。潜在意識にはそういった特徴があります。

では、決して答えが出ない質問を潜在意識に投げかけると一体どうなるのか。 潜在意識にしてみると、アイドルの名前だろうが、仕事のアイデアだろうが、生きるか死ぬかの選択だろうが、質問は質問です。

あらゆる質問に対して一生懸命に答えを探しだそうとします。素直で献身的である一方で、融通が利かないところがあるのです。 だから答えのない質問に対しても、潜在意識は答えを見つけようと永遠に無駄な労力を割いてしまうのです。

もしも無意味な質問が日々いくつも潜在意識に投げ込まれたら、さすがに潜在意識も疲弊してしまいます。 無駄な活動に資源を食いつぶされ、いざ有意義な活動をしようとしても、その為に割けるエネルギーが枯渇しているのです。

するとどうなるのか。知らないうちに「なんかヤル気が起こらないなぁ」という由々しき心理状態に陥ってしまうのです。

潜在意識も疲労が溜まる

「すぐに疲れてしまって、どうしてもヤル気が出てこないんです」と言う人は多い。本来であればバリバリ働き盛りであるはずの若い人に多いのだ。 病気など身体の問題もないし、気持ちが落ち込むほどの事件があった訳でもない。ただ何となく心に力が湧いてこない。

そういう人たちには共通する特徴があります。 それが正に、答えの出るはずがない質問を自分に投げかけてしまっている、という事なのです。

「どうして私は何をやってもダメなんでしょうか?」というのは答えが出ない質問です。「何をやってもダメだ」という間違った情報が前提になった質問だからです。 だって「何をやってもダメ」なはずがない。

別にその人を励まそうと思って言ってる訳ではありません。現に、歩けるし、喋れるし、呼吸もできる。本当に「何をやってもダメ」なら、 そもそもこの年齢になるまで生きてこられたはずがないでしょう。

「何をやってもダメだ」と考える事が習慣になっているのです。すると潜在意識は「何をやってもダメなのは何故だろう?よし、答えをリサーチしよう!」 と、バカ正直に答えを探し求めて、動き出してしまうんです。

どんなにリサーチしても答えは見つかりません。潜在意識は無意味にエネルギーやリソースを永遠に浪費し続ける事になります。その結果、 「すぐに疲れてしまって、どうしてもヤル気が出てこないんです」という状態だけが残ってしまうのです。そりゃヤル気が出てくるはずがありません。

「どうして何もうまくいかないんだ?」「アイツは何で俺を疑うんだ?」「どうして私の事を理解してくれないの?」「どうして部下はバカばっかりなんだ?」 身近にいませんか?こういう人。もしかしたらあなた自身がそうかも知れない。

このような質問は自己破壊的な質問です。こんな事では健康的でハッピーな毎日を送る事が出来るはずがありません。 こういった思考が習慣になっている人は今すぐに断ち切るべきなのです。

潜在意識を変えるコツ

「俺はどうして何もうまくいかないんだ?」という考え方が習慣化してしまっている人に、ちょっとしたコツを伝授します。 「俺は何ならうまく出来るでしょうか?」という風に言い換えてみるのです。

そうすると潜在意識も変わります。本気でそう思えなくても、言葉だけ意識して変えてみるだけで変わってきます。 実際に、ふたつの文章を比べてみても、心から湧いてくるエネルギーが違う事がハッキリ感じられますよね?

意味としては両方とも同じことを言っています。しかし潜在意識にとってはまったく別物の質問になります。 「何ならうまく出来るでしょうか?」と問えば、潜在意識はこう考えるでしょう。

「俺にも立派に出来そうな事はなんだろうか?よし、サーチしてみよう!」潜在意識は答えが見つかるまでストップしないのです。 だから必ず、「これなら俺にも立派に出来るはずだ」と思えるアイデアを引っ張ってきてくれるのです。

こうやってポジティブに考えられる人ほど、次から次へとたくさんの問題に取り組んでいける。 しかも精神的にはほとんど疲れずに済むという特典付きです。

あの時やっておけば良かった

ある日、あなたにとって大きな成功に結び付くかも知れないチャンスが訪れたとします。 もちろん失敗の可能性だって十分に有り得ます。あなたは悩みます。

悩んだ末、「ちょっとリスキーだな。まだ私には準備が出来ていない気がする。次の機会が来るまで待とう。」と、判断したとします。 あなたは「ノー」を選択し、訪れたチャンスをパスしました。

すると、あなたの心の中では「イエスと言っていたら、すごいチャンスだったかも知れないなぁ」と、いう思いがずっと残ります。 「やってみたら、ひょっとすると大成功できたかも知れないぞ」という結論の出ない思いが中途半端に残ります。

何が言いたいのか、もう分かりますよね?この思いが潜在意識の中で、答えの出ない質問として永遠に動きはじめてしまいます。

とことん味わい尽くした恋愛の思い出よりも、「もしかしたら成就したかも知れない恋」の方が繰り返し心に浮かびやすいのも、これが原因です。 心当たりは・・・ありませんか?

選択に迷った時には

さて、反対にもしあなたが勇気を奮い立たせて「イエス」とチャンスを掴みにいったとします。 ですが残念な事にそのチャレンジは失敗に終わった。「ああ、やめときゃ良かった」と頭を抱えて後悔させられたとしましょう。

チャレンジした結果、「ダメだった」という結論が事実として出たこと、これ自体が大きな収穫なのです。 何故なら、これにより潜在意識は「ひょっとして成功できたかも?」という問いの答えを求めて奔走する必要がなくなるからです。

だからこそ、無駄なことにエネルギーを割かずに済み、 あなたは次の新たなチャレンジに向けて潜在意識のリソースをフル活用できる、という訳です。

潜在意識的に見れば、「うまくいったかも知れない」という思いよりも、「ダメだった」という気付きの方が、はるかに生産的なのです。 「ノー」と言い続ける限り成功は有り得ません。どんな宝くじも買わなければ当たらないのです。

しかし、「イエス」という事によって、どっちに転んでも、少なくとも潜在意識的にはプラスに作用するのです。 だからこそ、迷ったら「イエス」と言ってみること。これがとても大切です。

やってみたい事があったら、勇気を出してチャレンジしてみて下さい。好きな人がいたら、怖くてもいいから告白してみて下さい。 欲しい物があれば、とりあえずは「欲しい!」と言ってみて下さい。どうぞ、「イエス」と一歩を踏み出して下さい。

ケタ外れに成功する人は、失敗の数や規模もまた、ケタ外れなのだという事はあなたも既にご存じのはずです。 いい結果が出ようと出まいと、常に前進できる人というのは、失敗のこの本当の意味が理解できている人なのです。

※アプローチ方法は違いますが、「迷ったらイエスと言ってみる」事を深掘りしたい方はこちらの記事もどうぞ。 「ゼロ/堀江貴文」の解説と要約&あらすじ・内容の説明と感想レビュー

「心のブレーキの外し方」の書評と感想

他のよくある自己啓発書やビジネス書と、最終的な答えは同じで 「悩んだらやる」「失敗を恐れるな」といった結論で、そこまで大差はなかったと思います。

ただし他の本と違って、読み手の気持ちを鼓舞してくることなく、 「潜在意識的に」プラスなのかマイナスなのかという視点でただ淡々と説明してくれる点は、他の本になかったと思います。

そして、「俺はどうして何もうまくいかないんだ?」を「俺は何ならうまく出来るんだ?」という言い換えのテクニックは良いと感じました。 無理やりポジティブ思考に持っていこうとするのではなく、これなら少し訓練すれば無理なく使えるテクニックではないでしょうか。

答えの見つからない質問は、考えるだけ無駄で単純に時間を浪費するし、潜在意識的にも良くないし、 知らず知らずの内にエネルギーとリソースを浪費している事が知れたのは良かった点でした。

新しい刺激を求めて「本を消費」してしまいがちな私も、ひとつの情報をよく咀嚼し、自分のものに出来るようにしようと思えました。 そして、少しでもあなたの「心のブレーキ」が外れるキッカケとなりましたら幸いです。

新しい刺激を求めて「本を消費」してしまいがちな私も、ひとつの情報をよく咀嚼し、自分のものに出来るようにしようと思えました。 それではまた次回の書籍レビューでお会いしましょう。 最後までご覧いただきまして誠にありがとうございました。