神メンタル - 星渉

「神メンタル~心が強い人の人生は思い通り~」の解説と要約&内容の説明と感想レビュー

「神メンタル~心が強い人の人生は思い通り~」は2018年に初版発行され、売上10万部を突破したヒット書籍です。 私個人的にはベストオブ2018年度の書籍といっても過言ではありません。

本のタイトルで誤解されそうですが「鋼の精神力」を手に入れたい人向けというより、「夢を実現したい人」向けの本です。 仕事・健康・お金・恋愛・目標など、とにかく実現したい事を実現する方法が記載されています。

さらに精神論や根性論で「さぁ頑張るんだ!」と読み手の気持ちを鼓舞してくるような本ではなく、 「心理学」に基づいた見解や「脳科学」について淡々と解説してくれるところが個人的にはポイント高かったです。

ある程度、自己啓発書やビジネス本、心理学をかじった事がある人にとっては、「あ、その内容聞いた事あるな」 といった部分もあると思いますが、それらの断片的な知識を1冊の本にまとめて体系立てて、人生に役立てる方法が書かれています。

※もちろん本と読者との相性はあると思いますが、私にはメチャクチャ刺さった本でした。 ただし、かなりの読書家の方にとっては「目新しい情報はない」という辛口評価が目立ちました。

「自己肯定感が強い人」「自分に自信がある人」「実現したい目標がある人」「行動力を身に付けたい人」 これらに当てはまる人とは相性がバッチリの内容だと思います。

もちろん上記に当てはまらない人でも「自己肯定感を高める方法」や「自信のつけ方」 なども本書でシッカリ網羅されているので心配いりません。

恐らくこのページを100人が読んだとして、真剣に読む人が10人、さらに行動に移す人が1人だと思います。 それでも1人の人生が大きく好転するのであれば、私もこのページを作成して良かったと思えます。

自分自身が実現したいこと、変化を起こしたいこと、手に入れたいこと、 を実現するために本書で得た知識を人に教えてあげて下さい。

との記載がありましたので、本の内容に従いたいと思います。 さすがに本に記載されているすべての内容を説明する訳にはいきませんので、最終的には書店にて実際に本を手に取ってみて下さい。

この本の魅力が少しでも、あなたに届けば嬉しいです。それでは始めましょう。

はじめに

「努力してもなかなか報われない人」と「いとも簡単に目標達成していく人」。 しかも前者は日々の仕事や生活に忙殺されて自分が本当にやりたい事に手をつける事ができない状態。

それに対して後者は毎日楽しそうに過ごし、悩まず落ち込まず、やりたい事を実現させながら収入を伸ばしていく。 この両者には一体どんな差があるのでしょうか。

生まれた時から縮めることの出来ない圧倒的な差がある訳ではないのです。 8000人以上の方々を注意深く観察した結果、何事も上手くいく人には1つの共通点がありました。

上手くいく人が必ず持っているもの

それが神メンタル(=心が強い)を持つ人なのです。心が強い人こそが人生を思い通りにするのです。 「心が強いなんて抽象的だ」と感じられましたか?

実際、数多ある自己啓発書には「ポジティブになろう」とか「私はこうして成功したから、あなたもやってみよう」と呼びかけるだけで 「具体的に何をしたら良いのか」が書かれていないものも少なくありません。

今回、精神論や抽象的な「心構え」みたいな事をウダウダと語るつもりは一切ありません。 何故なら、強いメンタルは科学的に作り出すことが可能だからです。

なぜ心が強い人の人生は思い通りなのか

これから科学的に、自然と心を強くするための方法を誰もが実践できるように順を追って説明していきます。

詳しくは後ほど解説していきますが、日々の選択と行動が今の現状を作り出しているという絶対的な真理において、 心が弱い=自己評価が低い状態で物事に取り組む場合、「自分には出来ない」という心理状態になり、選択と行動がズレたものになっていきます。

そして最終的には「やらなくてもいい理由」を探し始めるのです。

逆に、心の強い人はすでに「目標を達成した自分」なら、どのように考えて行動するかという基準で物事を判断しているので、 「現実が未来の自己評価に追いついてくる」感覚であらゆる目標を達成していきます。

神メンタルは簡単に手に入る

どんなに自分に自信が持てないという人でも確実に、劇的に心が強くなるのが神メンタルです。 順を追って進んでいくうちに、あらゆる目標達成が可能になり、その結果、人生はあなたの思い通りになります。

もしも今抱えているすべての悩みが解決されるとしたら、これほど素敵な事はないでしょう。 あなたの人生を大きく変える「神メンタルのメソッド」を是非とも今日から取り組み始めてください。

人生の9割はメンタルで決まる

まず最初に心理学の「損失回避の法則」と「保有効果」について解説させて下さい。

損失回避の法則:

簡単に言うと「人は得をするよりも、損をしたくない思いの方が強い」という理論です。

人は利益を得る場面では「確実に手に入れること」を優先し、 反対に損失を被る場面では「最大限に回避すること」を優先する傾向があります。

「じゃんけんで勝てば1万円がもらえるが、負ければ1万円を払わなければならない」 というゲームに多くの人は参加することに躊躇します。これは損失回避の法則が発動していると言えます。

保有効果:

簡単に言うと「自分が持っているものを高く見積もってしまう」という理論です。

自分が所有した物に対して、実際の価値よりも高く感じ、手放す事に抵抗を感じる傾向にあります。 他人から見たらゴミみたいな物でも、本人からしてみれば手放せない物に写るのです。

周りからすると100円の価値にしか見えなくても所有者からは数百円以上の価値があると信じてしまうのです。 メルカリなどのフリマアプリで相場よりも高く出品している人たちは保有効果が発動していると言えます。

私たちが毎日行っている色んな選択や行動もこうした心理現象によって、知らず知らずのうちにコントロールされています。 そして、その心理現象のほとんどが「現状維持をしようとすること」です。つまり「今の状態のままでいようとする」のです。

損失回避の法則・保有効果が働いて「今の状況でも別に悪くないのに、わざわざ変える必要があるのか?」という心理状態になり、 無意識のうちに行動を起こすのが面倒に感じてしまうのです。

また、「保有効果と現状維持バイアス」はセットで語られる事が多いです。 詳しくは説明しませんが、「変わらないままの自分でいる方がラク」だと脳が判断するのです。

これが毎日の選択や行動を変えられない最大の理由なのです。

サンクコスト

そして、損失回避の法則・保有効果が発動すると今度は「サンクコスト」といわれる心理現象が表れ始めます。

「せっかくここまで〇〇したのに、勿体ない!」と過去にかけた時間・労力・お金にとらわれてベストな判断が出来なくなる状態の事を指します。 簡単にいうと合理的な判断ができないようになってしまうのが「サンクコスト」です。

さらにその次があります。合理的な判断が出来なくなると最終的には「今の自分が正しいんだ」という事を裏付ける情報を、脳が集め始めるのです。 これを「確証バイアス」と言います。

脳は現状を維持したがる

「損失回避の法則」「保有効果」「現状維持バイアス」「サンクコスト」「確証バイアス」こういった心理的な作用がある為、 「今のままでも別にいっか・・」と、結局は自分を何も変えようとしないのです。

今のあなたの状況(職業・収入・地位など)は、これまであなたがしてきた選択と行動の結果です。 これを逆に考えてみましょう。

これから「今とは違う新しい自分」になろうとするのなら、 これまでの選択と行動を変えて、新しい結果を手に入れていけば良いのです。

少し長くなってしまいましたが、「人が変われない」科学的な根拠を説明しました。 ここから先は「どうすれば今までの選択と行動を変えていけるのか」の説明に入っていきます。

思い通りに生きる「公式」

あなたが今の現実を変えたいと思っているのなら、どのように変わったらいいなと思っていますか? 叶えたい夢はなんですか?手に入れたい事は、どんな事でしょうか?

まず最初にあなたに伝えたいのは次の真理です。 「どんな願望であっても、実現するために必要なことは、もう決まっている」

現実(未来)= 目的地 × 手段 × メンタル

あなたがこれから手にしていく未来は、すべて上記の公式で説明する事が可能です。

間違った目標設定をしている

「あなたの目標は何ですか?」「あなたが実現したい事は何ですか?「あなたは1年後の今日、どうなっていたいですか?」 これらの質問に即答できる人はほとんどいません。

ほとんどの人達は、聞かれたらその場で考えて答えるのです。これは何を意味していると思いますか? それは、「自分でどこに向かっているのか把握できていない」という事です。

人生を飛行機で例えると分かりやすいです。飛行機はもう離陸して飛行が始まっています。 それなのに飛行機が「目的地がわかっていない状態」では大変です。

行き先が決まっていない飛行機をどう思いますか?安心して乗っていられますか? ですが、ほとんどの人が日常を「目的地がわかっていない飛行機」と同じような状態で過ごしているのです。

目的地もなくただ飛んでいる=ただ毎日を過ごしているだけの生活。 そんな事では、自分が実現したいこと、叶えたいこと、つまりは目的地にたどり着けるはずがありません。

あなたは1年後の今日、どうなっていたいですか?

もう1度同じ質問をしましょう。あなたは1年後の今日、どうなっていたいですか? この質問をすると誰もがその場で少し考えます。そして様々な答えが返ってきます。

  1. 収入が上がっていたい
  2. 出世していたい
  3. 今より幸せになっていたい
  4. 結婚していたい
  5. 子供が欲しい
  6. 会社を大きくしていたい
  7. 自分を変えたい
  8. 海外旅行に行きたい
  9. テレビに取り上げられたい

こんな感じでしょうか。実はこの「目的地の設定」を99.9%の人が間違った方法で設定しているのです。 間違っているどころか、「絶対に実現できないように」設定してしまっているのです。

知らないうちに自分自身に対して、実現しにくい形で目標をプログラミングしてしまっているのです。 だから自分が実現したい未来を、実現している人が非常に少ないのです。

望む未来を手に入れる確認事項

「収入が上がっていたい」を例にとってみます。収入をいくら上げたいのでしょうか。1万円?10万円?100万円?1000万円? 1年後に収入を1万円上げる場合と1000万円上げる場合とでは、やり方も行動もまったく変わってきます。

だからこそ目的地は明確でなければならない。「お金持ちになりたい」「今より幸せになりたい」「自分を変えたい」 こんな曖昧すぎる目標設定の仕方ではダメなのです。

飛行機で例えるなら、行き先を「南のほう」というくらいにしか決めずに飛行しているようなものです。 そんな飛行機が「本当に行きたいと思っている場所」に着陸できるはずがありません。

飛行機がきちんと目的地にたどり着ける理由を考えて下さい。それは「ナビに目的地をセットして」「航路からズレてないか常に確認して」 「どこに向かっているのか常に忘れないように」しているからです。

これを私たちの日常生活に置き換えるとどうでしょうか。 ある調査によると、年始に立てた目標をその年の12月に覚えている人は1割にも満たないそうです。

これこそ正に、目的地は設定したけど飛んでいるうちに「どこに向かっているのか」を忘れてしまって、そのまま飛行を続けているようなものです。 これでは目的地にたどり着けないのは当たり前です。

あなたという飛行機が目的地に正確にたどり着く為には①「ここ以外ない」というくらい目的地を明確に設定すること。 ②目的地を常に忘れないようにする事。この2つがとても重要なのです。

叶えたい夢を紙に書いて壁に貼っておくと実現する、というオカルトじみた方法も、実は上記の①と②を満たしているのです。

手段はそこまで重要ではない

現実(未来)= 目的地 × 手段 × メンタル

あなたが手にしたい未来は、上記の公式でしたよね。 先ほど「目的地」の設定方法について説明しました。次は「手段」についてです。

またまた飛行機で例えるなら、「手段」とは、たどり着きたい目的地に行くための「飛行機本体」になります。 目的地によって手段は変わります。行きたい目的地がどれだけ離れているかによって機体が変わるのと同じです。

関西国際空港と羽田空港間を飛んでいる機体では、そこからアメリカまでは行けないよ、という事です。 羽田空港へ行くまでに必要な燃料と、アメリカへ行くまでに必要な燃料の量は違います。

年収10万円アップと、年収1000万円アップでは、達成するまでの手段は違ってくるのが当然です。 このように手段は目的地によって変わります。しかも多くの人が「手段」が分からないのです。

「今の自分を変えよう」「でもその手段が分からない」「手段さえ分かれば、自分は変えられるんだ」 そんな風に信じているのです。手段こそ最大の難関だと思ったり、もっとも重要なものだと考えがちです。

しかし実は「人生を思い通りにする方法」では手段はそこまで重要な項目ではありません。 なぜ手段がそこまで重要ではないのか?その理由は3つあります。

手段が重要ではない理由3つ

1つ目は、そもそも目的地が明確に設定されていないと「手段」を導き出す事ができないという理由です。 たどり着きたい目的地が分からなければどの手段を使うのかを決めることが出来ません。

2つ目は、仮に目的地が設定できたとしても、「今のあなた」では、そこにたどり着く手段はどちらにせよ分からない、という理由です。 そもそもの目的地までの正確な行き方を知らない状態なので、いくら考えても手段を見いだす事が出来ないのです。

例えるなら、三角形の面積の公式を知らないのに、三角形をじっと見つめて「どうやったら計算できるだろう?」と考えるようなものです。 いずれ自力で公式を発見し、答えにたどり着くかも知れませんが、それまでに膨大な時間を消費してしまいます。

これは完全に時間の無駄です。これから行こうとしている目的地には、まだあなたは到達した事がない訳ですから、 どういう手段を使えばそこに正確にたどり着けるかなんて分かるはずがないのです。

3つ目の理由は、2つ目の理由の続きです。結論を言うと「メンタル」を強くすることで「手段」は自動的に見つかります。 手段と言うのは「考えて作るもの」ではなくて、「自動的に見つかるもの」なのです。

日本人はとても真面目なので「手段を自分で考えて見つけなくちゃいけない」と思い込みがちです。 それで夢の実現にムダな時間が掛かってしまうのです。

結局、メンタルの強い人がすべてを手に入れる

ここでいう「メンタル」は「自己評価」です。では、自己評価を決めるのはどこか?それは「脳」です。 要するに「メンタル → 自己評価 → 脳」そう捉えることが出来ます。

また、冒頭の方でも説明しましたが、「思考や感情は脳が作り出す」という観点から、 ここでは「心=脳」と定義づけて話を進めていきたいと思います。

想像して下さい。あなたは飛行機を操縦する機長です。「目的地」はホノルル空港。羽田空港からこれから飛び立とうとしています。 「手段」である機体もホノルル空港まで飛行できる性能で何も問題はありません。

しかし、「メンタル」あなたの自己評価が次のようなものだとしたら、どうでしょうか。 「俺、この機体をちゃんと操縦できるのか?」「もしトラブルがあれば責任なんて取れない」「ホノルルにたどり着く自信もない」

いくら「目的地」が正確に設定されていて、「手段」が手に入っていたとしても、 このようなメンタルでは「行動」に移すことは出来ないでしょう。

自己評価が低いままだと、「自分には出来るわけがない」という発想が先行し、そもそも適切な「手段」すら見つけようとしない場合がほとんどです。 見つかるのは「やらない自分を正当化する理由」ばかりです。

行動できるかどうかにダイレクトに影響するのが「自己評価」です。 当たり前ですが、行動しなければ現実は何も変わりません。

あなたが変えるべきものはメンタル=自己評価です。この事を念頭に置いておいて下さい。

  1. ・「目的地」は正確に設定する
  2. ・「目的地」を忘れないように常に意識する
  3. ・「手段」は自分で考えなくても良い
  4. ・「手段」は今の自分には分からない
  5. ・「自己評価」を高める事が一番大事
  6. ・「自己評価」が伴わないと人生は変わらない

変化を嫌がる人の性質を科学的に攻略する

自分を変えようとしても、なかなか変われない大きな原因は「頑張って」自分を変える方法ばかり学んでいるからです。 しかし自分を変える方法を学ぶことは悪い事ではありません。

ただ、「変わろうとする時に何が邪魔しているのか」を理解しないまま愚直に「変わろうと一生懸命」になってしまうから、 いつまで経っても目覚ましい変化が起こらないのです。

自分を変えようとただ頑張る、というのは穴の空いたバケツに一生懸命に水を注いでいるようなものです。 バケツの穴をふさげば、簡単に水で満杯にする事ができるのです。

あなたが今の自分を変えようと思うのであれば、「自分を変える方法」にプラスして「変化を邪魔する力」についても理解し、 その対抗策(バケツの穴をふさぐ方法)を準備する必要があります。

変化を邪魔する=現状を維持したがる

では、あなたの変化を邪魔するものとは何だと思いますか?勘のいい方ならお気付きかも知れません。それは「脳」です。 冒頭でも触れましたが、「脳は現状を維持したがる」のです。

脳が最優先にしている事。それは「死なないこと」です。つまり脳は「生命の維持」を最優先に考えているのです。 あなたが何か新たな変化を起こそうとすると脳は全力で邪魔してくるのです。

「今の状態で生きていられるんだから変化する必要なくね?」「頼むから挑戦とか余計な事はしないでくれる?」 と言わんばかりに、あの手この手であなたのメンタルに作用してきます。

何か変化しようとした場合、ある時は「不安」という感情を生み出したり、ある時は「寂しさ」という感情を生み出したり、 はたまた「自分には出来ない理由」を探してきたり、同じことをして失敗した人の例が目に付くようにしたり、そんな風に作用します。

ここで大切な事は、「自分が変化しようとしている時に、脳の現状維持システムが働くのだ」という事実を知っておくことです。 知っているのと、知らないのとでは、その時に取れる行動の大きさも変わってくるはずです。

変化を邪魔する障害物を認識する事ができれば、実現したい事への「行動力」がこれまでとは見違えるものになります。 バケツに空いた穴をふさぐ事と同じです。

チャンスを察知する能力

邪魔するものが無くなったら、あとは自分が必要とする情報・チャンス・機会をいかに見つけるかに専念すれば良いのです。 夢を実現できた人たちには何故、チャンスや機会が巡ってきたのでしょうか。

それには明確な理由があります。夢を実現した人たちは、実現したい事につながるチャンスや機会を察知する能力が高かったからです。 他人からすれば気が付かないようなチャンスに気付く事が出来たのです。

今のあなたにはチャンスを察知する能力がどれぐらいあるのか、それを測定する簡単なテストをしてみましょう。 次の質問に答えてみて下さい。

【質問】あなたはどんな人ですか?この質問の答えを10個あげて下さい。

さて、10個あげましたか?ここで今あなたに挙げてもらった答えは「今の自分に対する自己評価」です。 例えば、

  1. ・優しい
  2. ・真面目
  3. ・家族思い
  4. ・仕事ができる
  5. ・面倒見が良い
  6. ・仕事が好き
  7. ・人なつっこい
  8. ・美人である

いろんな答えがあってOKです。何が正解とかもありません。大切なのは、あなたの自己評価が今どうなっているのか把握する事です。 そしてその自己評価が公式の「メンタル」としてふさわしいものであるかが重要です。

現実(未来)= 目的地 × 手段 × メンタル

あなたの自己評価は、あなたが目指している目的地に到達するのに十分といえるメンタルだったでしょうか。 目指すべき目的地に向けて「行動」できる自己評価だったでしょうか。

仮にあなたが「会社を辞めて独立したい」という目標を設定していたのであれば、先ほどの質問に対して 「取引先から可愛がられている」「1人の時間が好き」などという内容の答えが、少なくても1つは必要です。

カラーバス効果

1つ実験をしてみましょう。

【実験】これから5秒間で、あなたの周りにある「赤いもの」がいくつあるか数えて下さい。 5秒経過したら、赤いものが何個あったのかメモして下さい。それではスタート!

さあ、5秒経ちました。赤いものは何個ありましたか?この文章からまだ目を離さないで下さい。 ここで、改めて新しい質問をします。

【質問】では、黄色いものは何個ありましたか?

この文章から目を離さないで、黄色いものは何個あったか思い出して下さい。黄色いものなんて無かった?本当ですか? では顔を上げて黄色いものが何個あったか確認してみて下さい。

恐らく赤いものを探している時には、黄色いものは「まったく目に入ってなかった」のではないでしょうか。 人間の脳は五感を使って、1秒間におよそ2000個の情報を感知しています。

しかし、情報を感知していても2000個の情報すべてを「認識」する事は出来ません。 要するに、あなたの脳は「これを認識すべきだ」という情報を選んでいる訳です。

脳が認識できる情報の数

認識すべき情報を「赤いもの」に設定した場合、あなたは「黄色いもの」を見つけられないのです。 人間が同時に認識できる情報の数は、大体8~16個ぐらいと言われています。

では、日常生活において脳はどんな情報を「最優先で認識すべきだ」と判断しているのでしょうか。 それはもちろん、あなたにとって重要な情報です。

では、「あなたの人生を変える」という話に置き換えた場合はどうでしょか。 あなたの脳は変化をとても嫌います。あなたの脳は「あなた自身が考える"今の自分"にふさわしい情報」だけを認識しています。

先ほど「あなたはどんな人ですか?」と質問しました。そしてあなたの答えを「自己評価」だと脳は認識します。 あなたの脳は変化しないように、その自己評価にふさわしい情報の重要度を上げてあなたに認識させます。

つまり、「あなたに見えているものは、すべてあなたの自己評価に基づいている」という事です。

必要な情報はもう目の前にある

裏を返せば、もしあなたが「自分を変えたい」「収入を上げたい」「結婚したい」「幸せになりたい」と思っていても、 それにふさわしい自己評価を持っていない限り、チャンスや機会を認識する事ができないのです。

これを心理的盲点「ストコーマ」と呼びます。心理作用によって、あるべき情報が見えていない状態の事を指します。 あなたが自分を変える為に必要な情報は目の前にあります。ただ、それが見えていないだけなのです。

つまり自己評価が伴っていないと、無難な毎日からは永久に抜け出せないのです。 このサイクルに入ってしまうと現状維持の自己評価がループ的に強化されて、無難な毎日から抜け出せなくなります。

ただ、本質を捉えて「自己評価を変えること」さえ出来れば、このループを根底から覆すことが可能です。 それでは自己評価を変えていく方法を解説していきます。

最強の行動力を手に入れる

あなたがまず最初に着手すべき事は、「何を実現したいのか」という目的地を明確にする事です。 まず目的地が明確に決まらない限り、自己評価の設定ができないからです。

それでは目的地を明確にする作業をしていきましょう。 これから5年後・3年後・1年後・半年後にあなたが実現していたい事を書きだして下さい。

注意事項1:完了形で書く

紙に書き出す際、必ず「完了形」で書いて下さい。 例えば「月収を50万円にしたい」ではなく「月収が50万円になった」という事です。

「〇〇したい」という願望を書いてしまうと、脳は「〇〇したい」=「まだ出来ていない」という自己評価を認識します。 すると「月収50万円のあなた」の為の情報ではなく、「月収50万円になっていないあなた」への情報の優先度を上げてしまうのです。

注意事項2:測定可能な形で書く

2つ目の注意点は、測定可能な形で書き出して下さい。例えば3年後に「家族みんなが今より幸せになる」という願望があったとします。 それなら3年後にどのような状態になっていれば「今より幸せ」と判断するのか。

それは「みんなが病気をしない事」なのか「毎年、海外旅行する事」なのか。 「どうあれば幸せなのか」が測定できる形にしなければ、何を目指せばいいのかが分からないのです。

カーナビに目的地を「東京」と入力してもダメなのと同じです。渋谷・新宿・高尾山、すべて東京です。 「自分の考えていた目的地と違う=自分の実現したい姿ではない」というのは自分の入力ミスとも言えるのです。

注意事項3:制限をかけない

これが最も重要な注意点です。仮に5年後に100億円の資産を手に入れたいと思うのなら、 「100億円の資産を手に入れた」とそのまま制限をかけずに書いて下さい。

その願望をあなたが「本当に」望んでいれば実現します。 「いや、それは自分にはちょっと現実離れしているかな」などと少しでも思っていれば実現しません。

まずは制限をかけずに紙に書き出してみて下さい。どんな内容でも構いません。 制限時間は10分です。それでは始めて下さい。

「なぜ?」を書き出す

さて、すべて書けたでしょうか?恐らく10分ですべての項目を完璧に書けなかったと思います。 10分で書けないという事は「目的地が明確になっていない」という事です。ここでシッカリと目的地を定めて下さい。

では次のワークに移ります。あなたは5年後までの目標を定めました。 では質問です。あなたは何故それを実現したいのですか?

実は目標を実現する為には「何を実現したいのか」よりも「なぜ実現したいのか」の方が重要です。 「なぜ?」に対する答えは、あなたの行動に直結するからです。

まず、何かを実現したい事がある人の8割は行動する事すらできていません。 そして行動する側の2割に入ったとしても多くの人は継続する事ができないでしょう。

ほとんどの人が実現する前の段階で諦めてしまうのです。結局、歯を食いしばって頑張るような行動は続かないのです。 「楽しんで行動している人」には勝てないのです。

自分に変化を起こすことに対しての不安や恐怖と、変化に対するワクワク感。この差はどこから来るのか? それは「やる理由」からです。

「やる理由」が伴っているか

あなたが紙に書き出した「実現したい事」に「やる理由」がないのであれば、 その実現したい事は目的地にふさわしくないという事です。

「やる理由」がなければ成功確率も低いでしょう。 裏を返せば、「やる理由」が見つからない時は、まだそのタイミングではないという事でもあります。

著者の星渉さんは、エリートの会社員でした。学生時代は独立を夢見てたものの「ああ、会社員の人生も悪くない」と思い始めていました。 こうして独立する為の「やる理由」が見つからなくなっていったのです。

そんな時、赴任先の岩手県で東日本大震災を経験します。 昨日まであったはずの町が瓦礫の山となっているのを目の当たりにします。

「人は本当にいつ死ぬのか分からない。あれをやっておけば良かった、なんて後悔を残さないように本当に自分がやりたい事だけをやろう」 と思えたそうです。ここで独立に対する「やる理由」が再び蘇ってきたのです。

悔いのない人生を歩む。その為には「いつ死んでもいい」と思えるぐらい、自分の人生の時間を自分がやりたいと思う事だけに注ぐ。 そんな思いで星渉さんは独立の夢を実現しました。

すべてを実現する為に必要な「行動力」の源泉、それが「やる理由」です。「やる理由」は立派なものじゃなくても大丈夫。 それが行動力の原動力になるのであれば、理由は何でも良いのです。

画像を用意する

さて、「実現したいこと」と「やる理由」が書き出せたと思います。では今度は実現したい事に関する画像を探して下さい。 ネットの画像検索を駆使すれば10分もあれば見つけられると思います。できれば30枚ほど集めるのが理想です。

集めた画像は、あなたのスマホや毎日使うパソコンに専用のフォルダを作成し、 1日に1回だけでいいので毎日眺めるようにして下さい。

画像を用意する理由ですが、人間が得ている情報は視覚からが87%を占めていると言われています。 「実現したいこと」を文章で読むより画像などのイメージで捉える方が効率的なのです。

次に毎日1回、画像を眺める理由ですが、それは「目的地を常に忘れない為」です。 先ほども説明した通り、年始に立てた目標をその年の12月に覚えている人は1割にも満たないのです。

脳に記憶として残す為には、何度も何度も脳に繰り返し情報を送る事が大切です。 そしてその送る情報は文章よりも画像の方がより鮮明に、強烈な情報として送られます。

画像を眺めるという行動を定着させる為に、すでに習慣になっている行動に付け加えて下さい。 こうすれば3日坊主にならずに済みます。

例えば、「トイレに入った時」「電車に乗った時」「エレベーターに乗った時」などとセットで画像を眺めるようにして下さい。 決して新たな習慣として始めようとしないで下さい。脳は変化を嫌うのと同様、新たな習慣を始めるのも苦手なのです。

※習慣化については、それ専用の本がありますので、そちらを参考にした方が良いかも知れません。 「めんどくさいがなくなる本」の解説と要約&あらすじ・内容の説明と感想レビュー

未来の自分を生きると現実が追い付く

「未来の自分の自己評価」で生きていると、現実が追い付いてきます。 ウダウダと説明するよりも例え話をした方がスッと頭に入ってくると思います。

これは2012年のロンドンオリンピックでご活躍された金メダリストの村田諒太選手のエピソードです。 このオリンピックでのボクシングの日本人の金メダルは1964年の東京オリンピック以来の48年ぶりの快挙でした。

村田選手が金メダルを獲得するまで、半世紀ちかくも日本人はボクシング競技での金メダルから遠ざかっていたのです。 しかも村田選手の階級はもっとも選手の層が厚いミドル級でした。一般的には体格の良い欧米人に有利と言われている階級です。

東京オリンピックではバンタム級での金メダル獲得であり、「日本人にミドル級で金メダルを獲ることは不可能」と言われていました。 しかし村田選手は世間の常識=思い込みに流される事なく、オリンピック前に「ある事」をしていました。

それは「未来の自分で生きること」です。 村田選手の家に置いてある冷蔵庫には1枚の貼り紙がしてありました。

「ロンドンオリンピックで金メダルを獲ることが出来ました。応援ありがとうございました。」 オリンピックに向けて練習している時から、すでに金メダルを「獲ったこと」にしていたのです。

もちろん文章も「完了形」で書かれていました。冷蔵庫に貼っていたので、 1日に何回も目にして、繰り返し記憶として脳に定着させていたという事になります。

「自分は金メダル獲った。金メダリストならどんな練習をするだろうか。どんな動きをするだろうか。 どんな生活を送るだろうか。どんな判断をするだろうか。どんな発言をするだろうか。」

まさに「未来の自分で生きる」という自己評価で「行動」するようになっていたのです。 そして金メダルという現実が、先に書き換えた自己評価に追いついてきて実現したのです。

自己評価を書き換える未来体験

あなたも村田選手のように「未来の自分に生きる」ことで目標を実現できるようになります。 しかし、あなたの今までの自己評価はもう何十年とかけて作り上げられたものなので簡単には変える事ができません。

それでも、比較的簡単に自分の自己評価を書き換える方法があります。 ズバリそれは「体験する」ことです。あなたが実現したい未来を体験するのです。

これは、ある男性のお話です。彼は会社員から独立することを目標にしていました。 目的地も明確で、メンタルも自己評価も申し分ありませんでした。程なくして彼は独立に成功し、目標が実現しました。

そして彼はさらなる目標を立てました。「今より収入を10倍にして豊かな生活を送る」という目標です。 独立が実現した時点で彼は豊かになり始めていたものの、住んでいる家は会社員を辞めて無収入だった頃のアパートに住み続けていたのです。

新たに「豊かな生活を送る」という目標を立てた際、「200平米のマンションに住む」という具体的な目標を設定していました。 そして今自分が住みたいと考えている家を探して、実際にそこを内見してみました。

すると、そこは玄関だけで彼が当時住んでいたアパートのリビングよりも広かったのです。 彼はまだ1Kのアパートに住んでいましたから、とてつもないギャップを感じました。

そんな「未来の体験」をして帰宅した時に、早速、現実が動き始める兆候が表れはじめたのです。 アパートに帰った彼は「こんな状況は嫌だ!」と現実に対して強烈な「違和感」を覚えたのです。

「現実に違和感を覚える」という事が自己評価が書き換わった証拠でもあります。

  1. ・自己評価=広いマンションに住んでいる
  2. ・現実=玄関よりも狭い部屋に住んでいる

この差から違和感が生まれます。違和感は自己評価と現実にギャップが生まれている証拠。 未来の自分で生きることがスタートしている証です。

その結果、彼は会社の業績をさらに10倍にして、理想とする200平米のマンションに移り住む事に成功しました。 そしてこの「彼」の話は作り話ではありません。勘が鋭い方ならお分かりかも知れません。本の著者、星渉さんの実話です。

自己評価は「自己肯定力」と「自己効力感」この2つによって成り立っています。 そしてこの「自己肯定力」と「自己効力感」を同時に高める方法こそが「体験する」事なのです。

自分が理想とする状況を体験する事で「こんな事が出来ている自分って好きだな=自己肯定力」が上がる。 実際に体験すると、目的地のハードルが下がって、「自分にも出来るかも=自己効力感」も高まります。

その結果として、自己肯定力 × 自己効力感 = 自己評価が高まるのです。

自己評価が高まって、現実と自己評価の間でギャップを感じる「違和感」が生じれば「努力することなく」 まるで自動的に自分が行動して現実を変え始めるのです。今まで行動するのを躊躇していたのが嘘だったかのようにです。

これは行動の司令塔である「脳」を味方につけたからです。脳はあなたが死なない為に「安心できる状態」を保とうとします。 ところが、自己評価が変わることで「今の自分」に安心できなくなるのです。

脳は「安心できない=環境が変わって死ぬかも知れない」と思い、新しい安心できる状態、 つまりは新しい自己評価に見合った環境を作り出す為に動く指示を出すのです。

モチベーションは絶対に上げるな

目標を達成するのにモチベーションは必要ありません。モチベーションを上げてしまうと、いつか下がるのです。 目標達成の可否をモチベーションに託してしまうのは賢明な判断ではありません。

目標に向かって行動し続けるために上げるべきものはモチベーションではなく、 「上げても下がらない」もの、それは「あなたの基準」です。

「あなたの基準」を上げる事こそ、前述の「未来の自分で生きる」という事につながります。 先ほどのボクシングの例で取り上げた内容と同じ事をあなたも実践するのです。

自分の夢が実現した未来の自分は、 「どんな生活を送るだろうか。どんな行動をするだろうか。どんな判断をするだろうか。どんな発言をするだろうか。」

このように基準を上げて行動する行為はモチベーションに左右される事なく、いつでも出来ます。 常に行動できるので、当然その分だけ現実が変わっていくスピードも速くなるのです。

さあ、あなたも神メンタルを手に入れて、夢を実現しましょう。

「神メンタル~心が強い人の人生は思い通り~」の書評と感想

さて、神メンタルを作り上げていく方法を駆け足で解説していきました。 けっこうな長文ページになってしまいましたが、これでも本の内容の半分も説明できていません。

また、大まかな内容はお伝え出来たと思いますが、それでも細かい枝葉の部分は端折っています。 やはり最終的にはご自身で本を購入して、すべてのエッセンスを吸収して頂くしかありません。

そして今回は、紙に書き出す、画像を集める、といった「ワーク」も多く用意されていました。 恐らく、せっかちな方はワークの部分を飛ばして一気読みした人もいるでしょう(私もそうです)。

しかし、読み直してワークを必ず実践するようにして下さい。 ワークをやるのが邪魔くさいという方は、実現したい目標は所詮その程度のものだったという事で諦めた方が良いでしょう。

恐らくこの本の中には「人生の成功法則」が書かれています。本の内容を実践できれば夢は実現できると思います。 私は、あなたに「ノウハウコレクター」にだけはならないで欲しいなと思います。

もちろん本とあなたの「相性」があるので合わない人は別の本に移ってもらっても構わないと思いますが、 一番ベストな成功法則を探し求め続けるよりも、とにかく行動に移していく事が一番大切だと思います。

とりあえず私は「3年後に2倍の年収」を目標に掲げてチャレンジしていきます。今から3年後が楽しみです。 それではまた次回の書籍レビューでお会いしましょう。 最後までご覧いただきまして誠にありがとうございました。