多動力 - 堀江貴文

「多動力/堀江貴文」の解説と要約&あらすじ・内容の説明と感想レビュー

「多動力」は2017年に初版発行され、発売から1年間だけで30万部の売上を記録したベストセラーの作品です。 著者はホリエモンこと、堀江貴文さん。

「真面目にコツコツ」1つの会社に勤めあげる終身雇用が評価される時代は終わりを告げた。 あらゆる「モノ」がインターネットと繋がっていくこれからの時代では、あらゆる業界の壁を軽やかに飛び越える「多動力」が必要になる。

「この本は渾身の力で書いた」と豪語する堀江貴文さん。 「多動力」を身につければ、「仕事」も「遊び」も次第に境目がなくなり、どんな時間でもワクワクで埋め尽くされる。人生は充実すると確信しているからだ。

このページでは、そんな「多動力」の考え方・身に付け方、そして魅力についてご紹介していきます。

はじめに

「多動力」の考え方を学んでいくにあたって、これまでの「常識」とされてきた考え方や、 今まで「良し」とされてきた生き方に対して、真っ向から否定するような内容が書かれています。

それらの堀江さんの強烈な主張に対して、「到底受け入れられない」と拒絶反応を起こす方や、 今までの自分の生き方を否定されたような気分になり、憤慨される方もいらっしゃると思います。

そういった方は申し訳ありませんがこのページから離脱して頂くか、 「そんな斬新な視点があったのか」という風に大らかな気持ちで読み進めて頂けると幸いです。 少しでもあなたの世界観が広がったり、新たな視点を手に入れてもらえると嬉しいです。

多動力が必要な理由

時代は大きく変わろうとしているのに、日本人は「石の上にも三年」に代表されるような、 「ひとつの事をコツコツやる」という価値観から未だに脱せられていない。

最近でこそ少しマシになったが、2010年より前までは転職すらネガティブに捉えられていたぐらいである。 節操もなく次々と職場を変えて動く人はこの日本では尊敬されにくい。

そんな国民性を持つ日本人が「多動力」を身に付ける為には、ある種の洗脳を解かなければいけない。 多動力を学んで、あなたの持つ価値観を根っこから変えて欲しい。

寿司屋の修行なんて不要

日本人は、修行・下積み・球拾い・皿洗いなど、苦しい事を我慢して行う美学が相変わらず好きだ。 しかし私は未来ある若者が寿司職人を目指し、卵焼きを作るのに何年もの無駄な時間を費やすのを見ていられないのだ。

情報伝達手段が限られていた時代は、美味しい卵焼きをどうやって作ればいいのか素人には分からなかったし、 寿司ネタの魚のうまさを最大限に引き出す包丁の使い方は、プロのみぞ知る専売特許だった。

貴重な「情報」を持つ親方に弟子入りをし、下積みの苦労にひたすら耐えることでしか、それらの技術や情報を引き継ぐことは叶わなかった。 ネットが発達する以前は、特定の人だけが技術と情報を独占し、それこそが価値だったのだ。

しかし、インターネット時代では「オープンイノベーション(情報の開示・共有)」が前提となる。 プログラマーの世界で良く使われる「車輪の再発明」というキーワード。

これは、すでに車輪という便利なツールがこの世に存在しているのに、 一から自力で車輪を開発するほど時間と労力の無駄はない、という事を表した言葉だ。

寿司屋の親方にわざわざ弟子入りを志願し、長大な時間を修行に費やす者は「車輪の再発明」をしているとしか言いようがない。 大阪の「鮨 千陽」の店長は迂遠な下積み修行などしていない。専門学校で3ヵ月、寿司づくりを学んだだけだ。

その「鮨 千陽」が『ミシュランガイド京都・大阪2016』でビブグルマン部門に選ばれたのである。 これは寿司屋をオープンさせてから、たったの11ヶ月目の出来事です。 つまり、一流店になる為の情報や技術などは専門学校でササッと身に付ける事が可能なのだ。

もはや情報それ自体に意味はない。これからは旧態依然とした業界に「オープンイノベーション」が訪れる。 これからは、とにかくチャレンジしようという行動力と、アイデアを進化させる能力が求められるのだ。

3つの肩書きを持てば、価値は1万倍になる

下積み修行と同じように「ひとつの仕事を定年まで全うするのが正しい」という幻想に囚われている人も多い。 たったひとつの肩書きだけではあなたの価値はあがることなく、その他大勢に埋もれていってしまう。

いくらでも代わりのいる存在であれば給料も上がらないだろう。ダイヤがなぜ価値があるか?それは美しいからではなく珍しいからだ。 では、「レアカード」になる方法を紹介しよう。

まず、ひとつの事に1万時間取り組めば「100人に1人」の人材になれる。1万時間は1日6時間やったとして5年。 5年間、ひとつの仕事を集中してやれば、その分野に長けた人材になれる。

ここで軸足を変えて、他の分野に1万時間取り組めば一体何が起こるだろうか。 「100人に1人」×「100人に1人」の掛け算により、「1万人に1人」の人材になれる。これだけでも貴重な人材だ。

これに飽き足らず、さらに別の分野にもう1万時間取り組めば「100万人に1人」の人材が誕生する。 ここまですれば、あなたの価値と給料は驚くほど跳ね上がる事になるだろう。2足のワラジより3足のワラジだ。

まだ「この肩書で一生食っていく」などと言っている人は、自分で自分のキャパシティを狭めてしまっているだけだと思う。 肩書が1つしかない名刺なんて、さっさとゴミ箱に捨ててしまいましょう。

たまに手を抜く事を覚える

「ひとつの仕事に全力投球しなければ不誠実だ」と考えるバカ真面目があまりにも多い事に驚かされる。 そういう人間ほど仕事が遅く、量も質も悪かったりするからタチが悪い。

すべてに全力投球でもいいが、それで力尽きてしまっては元も子もないのだ。例えば、共働きで仕事をしていれば、 母親が子供の弁当を毎回バッチリ作るわけにもいかないだろう。

「今日は時間がないし疲れているから、冷凍食品を適当にチンしよう」こう割り切れると人生は一気に好転する。 逆に、弁当は手作りじゃないとダメだと思い込んでしまったら負のスパイラルにハマってしまう。

毎朝早起きすることにストレスを感じ、疲労が蓄積し、子供や夫に八つ当たりして、家庭の空気が悪くなってしまえば本末転倒だ。 中にはキャラ弁作りにものすごい手間をかけ、熱心に写真を撮り、ブログにアップしている人までいる

親の自己満を子供に押し付け、「うまい食べ物を食べたい」という肝心要の部分が満たされていない。 全力投球して自己満足しているのは本人だけだ。重要なのは、たまに手を抜くことである。

完璧主義者は何度もやり直し、ひとつの仕事にアリ地獄のようにハマってしまう。目指すべきは「完璧」ではなく「完了」だ。 目の前の仕事をサクサク終わらせ次に行く。「完了主義者」こそ、多くの仕事量をこなす事ができる。

1つの事にサルのようにハマれ

最初からいくつもの事に手を出すのではなく、まずは何かひとつの事に「サルのようにハマる」のだ。 どんな事でもいい。何かひとつの事に極端なまでに夢中になれば、そこで培った好奇心と集中力が他のジャンルでも同じように活かされる。

日本の「バランス教育」は子供の集中力と好奇心を削ぐように出来ている。 子供がひとつの事に異様なほどハマると周りの大人は「お前、大丈夫か」と揺り戻そうとする。

せっかくサルのように集中しようとしている子供の肩に手をかけ、バランスが取れたつまらない人間に矯正しようとする。 これでは好奇心と集中力が育たないのは当たり前だ。

メディアの取材で、ノーベル賞を取るような研究者や医師、大学教授と対談を繰り返してきたが、彼らは総じてバランスを欠いた変人だ。 バランスに囚われていたら、頭ひとつ抜きん出ることなんて出来ない。

何かひとつの事を根っこまで掘り下げれば、そのジャンルの神髄が理解でき、どんな事にだって応用できるようになるのだ。 まずは何だっていい、ひとつの事にサルのようにハマってみよう。

※堀江さんは「ハマる」事の重要性について他の本でもよく言及しています。もし興味があればコチラもどうぞ。 「ゼロ/堀江貴文」の解説と要約&あらすじ・内容の説明と感想レビュー

他人の目を気にするのは止めよう

他人の目を気にしすぎたり、顔色を伺いすぎて「自分の時間」を生きていない人が多い。 限りある人生、「自分の時間」を無条件で譲り渡すような事をしてはいけない。 多くのビジネスパーソンは、上司や先輩の怒りを買わないように無意味なルールに縛られている。

自分が参加する必要のない打ち合わせに出て、上司の話をボーっと聞いている。そんな「他人の時間」を生きるくらいなら、 打ち合わせ中にスマホで気になるニュースを読むなりして「自分の時間」に引き戻した方がいい。

「他人の時間」を生きるのは自分の人生に対して失礼ではないだろうか。 すべての会議が濃密という訳でもなく、くだらない会議、意味のない無駄話はどの職場でも多いものだ。 その隙間時間にスマホで情報収集した方が効率的だと思う。

「会議中にはスマホをしまえ」「上司が話している時は目を見て聞け」君たちの職場にもこういう 「自分の時間」を奪ってくる風紀委員のような人間が必ずいるはずだ。しかし屈してはいけない。

大勢のスタッフが集まる会議で、あえてスマホをいじる勇気を持ってほしい。それでクビにされるような会社なら早く辞めた方がいい。 周りにとやかく言われる事を恐れ、「他人の時間」を生きてしまってはいないだろうか?

1日24時間を充分に楽しみきる為には、自分が今「自分の時間」を生きているのか、それとも「他人の時間」を生きているのか、 こうした事にもっと敏感にならないといけない。

仕事を選ぶ勇気

「自分の時間」を生きる為には仕事を選ぶ側に回らなければならない。 食べて行く為に仕方なくやっている仕事は、いつでもその仕事の発注者の都合に振り回されてしまう。

「嫌だと感じたら辞めてしまった方がいい」と割り切った方が自分の人生を生きる事ができる。 無意味な仕事、割に合わない仕事、生理的に嫌な仕事に付き合わさせそうになったら、無視してしまえばいい。

高校生や大学生が、ブラックバイト防止のユニオンを作ったというニュースが一時期話題になっていた。 マクドナルドや牛丼屋の時給を上げろと文句を言って、デモ行進をするといったものだ。なんて非生産的な時間を過ごしているのだろう。

バイトの労働環境が不当だと思うのであれば、そんなバイトはとっとと辞めてしまえばいいのではないか。 「ブラック労働反対!」と息巻いて、デモをするなんて、どれだけヒマなんだろうか。

こういう事を言うと「僕らは明日からどうやって食べていけばいいんですか」と反論されるのだが、まったく意味が分からない。 仕事なんて世の中に溢れているんだから、自ら進んでブラックな現場に留まらなければ良いだけだ。「これしか仕事がない」なんて思い込みである。

むしろ、ブラックバイトを辞めない人がいるから、いつまで経ってもブラックバイトが無くならないという事実に気付こう。 誰もやらなくなれば、その仕事はなくなるか、時給が上がるか、ロボットが代替する事になるだろう。

バイトや仕事を辞めると「親が、妻が、同僚が何ていうだろうか」という感情が邪魔をしているのかも知れない。 しかし世の中には面白い事で溢れている。「嫌なら辞める」という事が出来るようになるだけで人生は一気に動き出す。

デキる人は質問力が高い

まともな質問ができない人が多すぎる。いい質問をする為には、自分の中で論点や疑問をきちんと整理しないといけない。 「質問力」はビジネスパーソンとして必須の能力である。

もちろん何でも聞けばいい。でも、あまりにも質問力がない人が多いのだ。 漠然とした質問には漠然としか答えられないし、前提条件がハッキリしない質問に対しては「回答不能」なのだ。

質問力というのはビジネスを進めるうえで必須の能力だ。質問が下手であれば本質的なアイデアを引き出せず相手も自分も無駄な時間ばかり過ごす事になる。 質問力がないダメな例を挙げてみよう。

「よくある質問」レベルの愚問を何度も聞いてくる・論点がゴチャ混ぜになっている・前提条件がハッキリしない・不要な情報をダラダラと説明する・ 「こういう答えを出して欲しい」という願望が最初から固まっている。こんな具合である。

質問力を上げるのは「明確に簡潔に聞きたい事だけを聞く」という事を心掛けると良い。 良い質問が出来なければ、いくつものプロジェクトを同時に高速に動かす事は恐らく出来ないだろう。

すべての仕事はスマホで出来る

スマホで出来るのに電話を使い、家でできるのに通勤する。あなたが忙しいのは仕事が多いからではない。 無意味な時間をなくさなければ、多動力を発揮することは出来ない。

未だにファックスや電話を使って仕事をしている人がいるのが信じられない。 多くのプロジェクトを同時にこなす為には、仕事の生産性を上げるという事への意識を強く持たなければならない。

スマホの普及によって仕事の効率は飛躍的に高まった。スマホのフリック入力が、パソコンのキーボード入力並みに早くなった今、パソコンで文章を打ち込む必要もない。 仕事の打ち合わせや指示出し、意見の吸い上げはプロジェクトごとにLINEやメッセンジャー、メールを使い分けていく。

その場でパパッと解決していけば、仕事を積み残してストレスが溜まる事もない。 顔を見てコミュニケーションを取りたい場合はスカイプを使う。これもスマホで充分だ。しかも相手が国内のどこにいようと海外にいようと問題ない。

一日中オフィスでパソコンの前で張り付き、会議室で打ち合わせを繰り返してるサラリーマンたちも薄々気付いているのではないだろうか。 「わざわざ会社に出勤して仕事する必要がない」「パソコンでやる必要はない」という事に。

生産性が低い人間は真っ先に淘汰されていく。今の仕事はもっと効率的に出来ないだろうか? わざわざ往復2時間かけて会社に出向く意味はあるのか?家でスマホで出来る仕事はないだろうか?

会社に行かなくてはいけない。直接会って話さなければいけない。資料は紙で渡さなければいけない。 そういった何の根拠もない考えを改めるだけで仕事は一気に効率化する。

ヒマな人ほど返信が遅い

仕事がどんどん溜まっていく人は、仕事量が多いわけではない。渋滞が起こるのが当たり前だと思い込み、 渋滞をなくす「工夫」をしていないのだ。実は仕事が忙しい人ほど返信が速い。

サイバーエージェントの藤田社長も、幻冬舎の見城社長も、レスポンスがめちゃくちゃ早い。 僕の仕事術でも「メールやLINEは即レス」「メッセージを見た瞬間から10秒で返信」「渋滞を作らない」が基本だ。

仕事がデキる人には「レスが速い」という共通点があり、忙しい人ほど持ち球を手元に残しておかないのだ。

溜まったメールがあるならば、まずは重要度の高いメールから順番に仕分ける。即レスすべきメールに上から順番に指示だしや返信をしていく。 どうでもいいメールから先に返信しているせいで、最優先のプロジェクトへの指示出しが後回しになってしまうようではいけない。

こうやって仕事に優先順位をつけて効率的に処理していけば、メールの返信だけで午前中まるまる潰れるというアホらしい仕事のやり方は修正できる。 仕事がデキない、仕事がやたらと遅い人は、入り口の段階で、仕事の仕分け作業が出来ていない事が多い。

残業に苦しんでいるほとんどの人は仕事量が多いのではなく、効率が悪いだけだ。 コロンブスの卵のようなちょっとした工夫で仕事の生産性は一気に上げることが出来るのだ。

恥をかいた分だけ自由になれる

多動力を身に付ける為の一番のハードルとなるのが「他人にどう見られるだろう」という感情である。 恥ずかしいなどといった感情が一番の障害になるのだ。ハッキリ言おう、誰もあなたに興味がない。好きなように生きて、思いっきり恥をかこう。

同窓会に出席した時の事を思い出してみよう。同窓会では誰もが「あの頃こんな事があったよな」と昔話に花を咲かせる。 イジメっ子とイジメられっ子が同窓会で再開すると、イジメた側はまったく覚えていないものだ。

嫌な思い出に限らず、記憶なんて大半がゴソっと抜け落ちていて、「そんな事あったっけ」と首を傾げたりする。 自分の事ですらちゃんと覚えていないのに、他人の事なんていちいち覚えていないに決まっている。人間の記憶や関心なんてそんなものだ。

恥をかく勇気、失敗する勇気を持てば、どんどん免疫がついていき、リスクを取ることを恐れなくなってくる。 この勇気を持つことが大切なのだ。今この瞬間から周りの人間の目を気にするのは止めよう。

あなたの頭の中が、他人の振る舞いや失敗の事で頭の中がいっぱいになっていないのと同じように、周りの人はあなたの事なんてまったく気にしていない。 外野の雑音なんて気にせず、ひょうひょうと我が道を進んでいけば良いのだ。

永遠の3歳児たれ

実は、かつて誰もが「多動力」を持っていた。そう、あなたが3歳児だった頃、多動力は確実にあなたの中に備わっていたのだ。 ご飯を食べていても、興味がコロコロ移っては、飲み物をこぼしたり、お皿を割ったり、親を困らせていたはずだ。

しかし多くの人は子供から大人へと成長していく中で、多動力がみるみる内に枯れていく。「やりたい事」ではなく、 「やらなきゃいけない事」をするように矯正され、バランスの取れた大人へと変貌していくのだ。

人は年をとると、今まで培ってきた人脈や経験に、がんじがらめになり、新しい刺激に身をさらせなくなる。 自分を変革し続けるフレキシビリティを失ってしまうのだ。

同年代の人間が40代に突入しだした頃、なんだか妙に落ち着いて、つまらなくなっている事が気になり始めた。 そうやって落ち着いて、ひとつの型にハマるせいで、自分で自分の世界を狭めてしまっている。

しかし肉体トレーニングを欠かさなければ健康的な筋肉を維持できるように、未知なる刺激に接し続けていれば3歳児のような多動力もキープできる。 新たな事に興味を失ってしまえば10代でも老人だし、新たな刺激を求め続けるのならば60代でも若者だ。

新しいデバイスに触れるのは億劫だ、行った事のない海外へ行くのは面倒くさい。そんな態度や気持ちのままでは化石のように固まってしまうだろう。 いつまでも未知なるものを求め続ける3歳児であろう。

人生に目的なんてない

今を楽しむ事がすべてだ、人生に目標なんてない。しかし人はすぐに目的を知りたがる。 「なぜ海外にしょっちゅう行くのですか?」「いろんな人と会食するのは何でですか?」応えは1つしかない。単純に面白いからだ。

海外を飛び回ったり、たくさんの人と会う事には何か目的があると考える人がいるようだが、そんなものなんて無い。 人脈が広がるからといった特定の理由によって行動したりはしない。ただただ楽しいからそれをやるだけだ。

そもそも「アイデアを見つけたい」だとか「人脈を広げたい」だなんていう頭でっかちな考え方で日々を過ごしていない。 面白い人たちと面白い時間を過ごす。その結果、偶然のようにアイデアが生まれ、仕事につながり、遊びにもつながる。

1日24時間をできるだけ「ワクワクすること」「ハマっていること」だけで埋めるように努めている。 何か具体的な目的の為の手段として人生を送ってはいけない。楽しむこと、これが人生のすべてなのだ。

好きな事を好きなだけやっていると、最終的に手元には何か残っている。人は「面白い」「ワクワクする」と感じられれば、時間を忘れて目の前の体験に没入できる。 誰だって漫画・ゲーム・麻雀・映画にハマって徹夜してしまった、そんな経験が誰にでもあるはずだ。

あまりにも目の前の物事にハマってしまい、物事を面白がり過ぎてしまえば、人は「忘我」の境地に達して時間を忘れる。 周囲の人が引くぐらい無我身中になって、熱狂的なまでに没頭できる。そうなってしまえば、もうこっちのものだ。

仕事に没頭し、遊びに没頭し、夢中になりさえすれば、目的なんて自ずと達成されている。結果は後から自然とついて来るのだ。 子どもはいつだって目的なんか考えていない。楽しいから遊ぶ、美味しいから食べる、寝たいから寝る。

常識や周りの目を気にする事なく生きているから、子どもは驚くほど成長スピードが速いのだ。 今この生きている瞬間、この時間を楽しまず、ただ歯を食いしばって努力したところで、思うような成果なんて得られない。

今がすべてであり、「将来の夢」や「目的」なんて必要ない。人生にゴールや終着点があってたまるか。 今日、明日、あさってと、常に自分を捨てながら新しい自分へと生まれ変わっていきたい。「多動力」こそ、自分が自分であり続ける為の最大の原動力なのだ。

とにかく動け。

重要な事はただ実践することだ。失敗して転んでも、また実践する。膝がすり傷だらけになっても、子供のように毎日を夢中で過ごす。 あれこれ考えるヒマがあったら、今すぐやってみよう!!

多動力の書評と感想

「多動力」を読み終わっての率直な感想は「堀江さんのような生き方や思考方法は到底マネできっこない」でした。

「自分には到底マネできっこない」と思いつつも「堀江さんのような生き方が羨ましい」とも感じましたし、 本を読み終わると、自分の世界が広がったような感覚になってワクワクしてきました。

やたらと破天荒で、今までの常識を覆すような事を言っているように感じられる主張でも、 理由を聞いてみると合理的で、理にかなっていると思える主張も多く、まさに目からウロコ状態でした。

「常日頃から自分の頭で考えること」の大切さや、「すべての情報を鵜呑みにせず疑ってかかれ」などと言われていますが、 いかに自分が固定観念や常識にとらわれているのか痛感しました。

この本の評価は賛否両論、ハッキリ別れるでしょう

しかし堀江さんの事を「血の通っていないサイボーグ」のような人間だと感じる人もいらっしゃるでしょうし、 いとも簡単に過去の常識や生き方を否定されるので、それらを受け入れられず拒絶反応を起こす人も一定数いるだろうなと感じました。

勿論そういった意見に対しても私は否定はしません。「その対応はあまりにもドライ過ぎる」と感じる部分がある事は事実ですし、 そういう「突出し過ぎた主張」は一定数の人間から反感を買うでしょう。ただ堀江さん自身、人から嫌われる事に対して何とも思ってなさそうですが(そこがまた羨ましかったりする)。

私的には自分が持っていなかった考え方を聞けただけでも「そんな視点があったのか」と、幸いプラスに捉える事ができました。 みんな横並びの時代はもう過去の話で、堀江さんのようなエッジの効いた突出した人材が、これからは重宝される時代に突入してくると思います。

そして、その足掛かりとなるのがこの「多動力」という本だったように思います。 今の自分の人生や生き方に対してどこか「つまらなさ」や「停滞感」を感じている人にはオススメ出来る一冊です。

私も堀江さんのように「多動力」を持って人生を謳歌したいと感じました。 それではまた次回の書籍レビューでお会いしましょう。 最後までご覧いただきまして誠にありがとうございました。