チェンジ - 金川顕教

「チェンジ〜人生のピンチは考え方を変えればチャンスになる〜」の解説と要約&あらすじ・内容の説明と感想レビュー

「チェンジ〜人生のピンチは考え方を変えればチャンスになる〜」は2016年に初版発行され、 アマゾンの販売ページでも多くの高評価レビューが付いています。著者は金川顕教さん。

高校時代、偏差値35で県内でも低学力の高校に通っていた著者が、いかにして 「年商5億円」を稼ぐ成功者になっていったのか、どうやって成り上がっていったかのサクセスストーリーを描いた本です。

この本の特徴として時々、別の本の内容の「引用」や、心理学の解説を交えていたりしています。 そのおかげで「自伝書」ではなく、本を読み進めるにつれて、何かしらの「学び」もきちんと得られる構成になっています。

本のタイトル通り、何度も「チェンジ」を重ねていった著者。 類まれなる「異常なまでの努力家」という才能を持った著者なので、彼のそのままを真似する事は出来ないかも知れません。

だからと言って、「ああ、俺はそこまで必死に頑張れない」というようにネガティブに捉えるのではなく、 「よし、自分もこれぐらい頑張らなきゃな!」とモチベーションを上げるように読み進めていくと良いでしょう。

本ページでは、著者の「生い立ち」や「自伝」的な部分はなるべく完結に説明し、 我々、読者側が人生に役立てられそうな部分だけを抜粋していきたいと思います。

すでに負けパターンに入っていた中学時代

子供の頃から勉強が苦手だった著者。中学1年の頃に「進研ゼミ」で死に物狂いで勉強した結果、中間テストの結果が110人中80位ぐらい。 自分は「頭が悪いんだ」と気付いてからは「スポーツ推薦で高校に行こう」と考え、野球に熱中しました。

中学2年生の冬。スポーツに打ち込んでいたので勉強の成績はさらに落ちて80位どころか100位以下にまで落ち込みました。 ほぼ最下位と一緒で、学校にほとんど来なくなった不良グループの生徒と同じぐらいの成績です。

この頃に両親の離婚を経験します。父親側につきました。もう野球で上に行けるほどの才能がない事にも気付いていました。 このままの状態だと将来がヤバイと本気で感じていました。

そこでもう1度、勉強しようと奮起しました。 授業を真剣に聞いて、家に帰ってからは寝るまで勉強漬け。それでも成績は一向に伸びませんでした。

その結果、「地域で下から3番目」の地元のヤンキー高校へ入学する事になりました。

荒れまくっていた高校

偏差値43、合格倍率0.97倍。つまり受験すれば誰でも入れる高校でした。男子の9割がヤンキー、女子の8割が茶髪のギャル系。 学校の近所でタバコを吸って、それが原因で退学になる生徒があとを絶たないような荒れた高校でした。

1年間で1クラス減るほどに退学者が多く、もし卒業できたとしても、そのまま就職か地元の専門学校へ。 それ以外はバイトか水商売で、早く結婚し、会話の内容は車の事ばかり。週末は地元のイオンへ。

まさに日本各地で根付いていると言われている「マイルドヤンキー」候補生の集まりでした。 下手すると、自分もさっさと退学していたかも知れない。あの出来事がなければ・・・。

思いもかけず部活に熱中

「可愛い女子部員が多い」という理由だけで何となく入部したのが吹奏楽部。 部活のヤンチャな先輩と一緒に、音楽室で花火を燃やして遊んでました。

火災報知器が鳴り響き、かけつけた教師陣にあえなく見つかり、職員室で説教されました。 そして音楽室は1週間の使用禁止、停学2日間という処分が下されました。

停学あけ、部活のみんなに謝ろうと吹奏楽部の部室に顔を出します。すると部員全員からブーイングの洗礼を受けます。 楽器未経験、楽譜も読めない、熱心な部員でもない、自分は何の貢献もしてない部員でした。

そんなしょうもない部員が県大会前の大事な時期に、音楽室を1週間使用禁止にしてしまったのです。 部員みんなの怒りはもっともだと思いました。

それまではヤル気のない部員でした。でも人に迷惑をかけて申し訳なくなりました。 それがキッカケとなって気持ちの大逆転が起こります。

「それだったら楽器を本気でやってやろう!」そして「プロを目指そう」と。 それからは寝ても覚めても、自分の担当楽器であるトロンボーンの事ばかり考えるようになったのです。

もしもあの時、あの音楽室に、ライターと花火がなかったとしたら、音楽にのめり込むどころか高校を辞めていたのかも知れません。

父親の一言で進路変更

「あきのり、ゴメンな。」この父親の一言で音大進学、プロミュージシャンへの夢は終わりを告げます。 音大は入学金も学費も、一般の大学よりお金がかかります。

男手1つで育ててくれている父親。裕福とは言えない家庭環境では、大学にかかる学費を払いきれない現実を突きつけられます。 「じゃあこれからどうする?」18歳にして、進路を見失ってしまいました。

しかし何をするにしても「将来はお金持ちになる」という目標だけはシッカリ持っていました。 経済的に自由になる事が漠然としていましたが大きな夢だったのです。

そこから成功する為の本を読み漁り、「ひとまず大学に行けばいい」という結論に至ります。 一念発起したものの、もちろん簡単な道のりではありません。

底辺高校で、授業もまともに聞いた事がないし、教科書を開いた事すら一度あったかどうかのレベルでした。 基礎もクソも何もありませんでした。偏差値は35。絶望的な数字です。

どれぐらい絶望的かと言うと、英語の授業ならアルファベットを最後まで言えない。 科学の授業で「H2O」と聞くと「歌手かな?」などと連想してしまう始末です。

もちろん結果は惨敗です。次々と不合格通知が届きます。唯一受かったのがボーダーフリーの大学です。 ボーダーフリーとは「願書を出し、入学金さえ払えばだれでも受かる」大学です。

誰でも受かるレベルの大学では先が知れている事ぐらいは分かっていました。結局、入学はしませんでした。 最終的に出した結論は「予備校で1年間勉強して、いい大学に行こう」という事でした。

予備校に入学

父親に無理をいって余計な出費をしてもらい、やっと通えるようになった予備校。 朝の5時に起きて、深夜まで問題集を解く。本当に勉強一辺倒の浪人生活を送っていました。

猛勉強の結果、偏差値は58まで上がりました。早稲田や慶応には及ばないものの、もう数か月、 この調子で右肩上がりしていけば、ある程度の名の通った大学であれば十分に狙える範囲まできました。

「今年こそ絶対に合格できる」そう確信しました。早稲田・慶応・MARCH・関関同立。妥協したくなかったので、それしか受験しませんでした。 しかしすべて不合格でした。1日20時間、1年間毎日頑張ったのに。

めちゃくちゃ落ち込みましたが「終わった事を悩んでもしょうがない」 そう思って、もう次の日にはまた予備校に通いだしました。

これが最後、と覚悟した浪人2年目

2浪目に突入する際、付き合う友達を思い切って変えてみました。 これには理由が2つあって、1つ目は、1浪目は一人で孤独に勉強した末に不合格になりました。

これは、「一人の努力では限界があるんじゃないか」という思いがあったからです。 1日に20時間も勉強していたのに不合格だった。これはもう「仲間」が必要なんだと。

2つ目の理由が、勉強も仕事も「誰と一緒にいるか、誰と一緒にやるか」が大事なんじゃないかと思ったからです。 人付き合いも含めた「環境」が大事だと。結果を出す為には「仲間」を作って「環境」を変えなくちゃいけないと感じたのです。

とはいえ「仲間選び」がとても重要です。類は友を呼ぶと言いますが、無意識に仲間を選ぶのは危険だと判断しました。 だからあえて頭の良さそうな友達を仲間に選びます。予備校の特進クラスの生徒をターゲットにしたのです。

しかし、人脈づくりには法則が存在します。それは「人は3種類しかいない。自分より上の人間か、同じレベルか、下の人間」 人は同じレベルの人とは仲良くなれるし、下の人を助ける事ができる。でも、上の人間とは仲良くなれない

ただしこれは「同じテーマ」での場合です。勉強というテーマで勝負すれば上の人とは仲良くなれない。 けれど「ノリ・遊び・テンション」などのテーマで勝負すれば仲良くなる事が出来るわけです。

そういう感じで近づいていって、頭の良い人たちと仲良くなれたんです。地元で頭のいい高校の3人。 その3人と一緒に1年間勉強したんです。

そうすると、勉強に対する気付きが多くて、成績も一気に上がって、結果的に1年前と同じぐらい勉強をしたんですが、 立命館大学に合格する事が出来たのです。

自分向上メモ~大学合格編~

現代の大学受験は横一線からの平等なスタートではありません。灘、開成など私立中高一貫の難関校からの東大合格率は群を抜いています。 また、東大生の親の平均年収は1000万円という話もあります。

早稲田慶応にしても同じで、最近は首都圏の出身者が多数を占めていて、親が裕福ではなく、地方在住で、 進学校以外の立場にある受験生というのはメチャクチャ不利な環境にあったと言って良いでしょう。

では、上記のような恵まれた環境にいない受験生はどうすれば良いのでしょうか? 対策方法は3つあります。

対策1:リサーチをしっかりする

偏差値が低くても、スタートは遅かったとしても、自分なりに必死に勉強しました。 それでも結果が出なかったのは「努力の仕方に問題があった」という結論に達します。

実は「勉強したつもり」になっていたんじゃないかという疑問が思い浮かびます。 「長時間、勉強しさえすれば合格できるんだ」といった思い込みです。

もちろん勉強時間の長さで合格の確率は上がるでしょうが、効率の良い「勉強法」や、志望校の「傾向」を事前にリサーチしておくだけで、 合格までの時間や労力を短くすることが出来たのは間違いありません。

まずは「リサーチ」する、そして「分析」して、それから行動に移すようにすれば効率よくこなせたはずなのです。

対策2:受験のテクニックを学ぶ

受験に大切なものは、効率の良い勉強法、体調管理なども含めたテクニックなのです。 受験は努力や気合をはかるものではなく、ごく限られた範囲内の知識と問題をいかに効率よく回答していくかの競争です。

問題を解く為のスキルやテクニックが必須である事は当然です。 「暗記」ばかりをしていて「問題を解く」という能力が欠けていてはダメなんです。

ヒントになったのは「楽器の練習法」でした。学生時代はプロの先生にお金を払ってレッスンを受けていました。 トロンボーンの練習をしていて、中学からやっていた人や全国大会に行っていた人よりも上手に吹けるようになり、リーダーになった経験があります。

プロの指導を受けると、「口の使い方がダメ」「フォームが変」「それだと音程が狂う」という事を的確にアドバイスしてもらえます。 模範にすべきは「一流」です。

結果をきちんと出しているプロに、楽器の吹き方や心構えを教わっていたから、自分も同じように結果を出す事が出来ていたのです。 大学へ合格するには、我流よりも「受験のプロ」に教わった方が手っ取り早いに違いありません。

対策3:レベルの高い環境に自分の身を置く

結果的に予備校に通ったのは大正解でした。周囲にいるメンバーは大学受験という共通の目標を持った人たちです。 そこでは「問題集を教科書代わりに使って、解答欄から答えを書き写してから読む」といった有益な情報が飛び交っていました。

これは大学受験に限らず、レベルの高い環境にいくことで自分のレベルもそれに合わせて高くなります。 実体験を元にお話ししていますが、これは脳科学的にも証明されている事実なのです。

霊長類にはミラーニューロンという器官があります。これは、レモンを食べている人を見ただけで「酸っぱい」と感じたりする働きの事で、 他人の行動から感情を読み取る神経細胞がミラーニューロンです。

勉強に関しても同じで「学ぶとは模倣から始まる」と言いますが、 人は意識しなくても脳の同調作用が働いて、他人から常に学習している生き物なのです。

ヤンキー高校では、勉強の分野で自然に模倣して身に付くものは少なかったですが、 予備校においては、合格ノウハウの宝庫ともいえます。意識せずとも学力レベルはアップしていきます。

「周りに人がいるとまったく集中できない」などの特別な事情がない限りは、独学はやめた方がいいと思います。 人間は自分よりもレベルの高い環境で刺激を受けるのが成長にとっては最善策であると感じるからです。

大学で、さらなる難関を目指す

2浪の末、立命館大学に合格。母校からは20年間で初めての合格者でした。 地元のヤンキー校なので、六大学や関関同立などに進む卒業生が過去に全くいなかったのです。

実家を離れて京都での一人暮らし。父親は仕送りもしてくれました。本当に父親には感謝しきれません。 だから感謝を結果で返し続けて、親孝行しようと心に誓ったのです。

血の滲むような1日20時間の勉強を2年半続けてきました。そしてやっと勝ち取った大学合格。 さすがに肩の荷を下ろして、キャンパスライフを満喫しても後ろ指をさされなかったかも知れません。

でも実際は合格が分かった途端に、「在学中に公認会計士の試験合格」を次の目標として定めました。 そしてすぐに1日16時間以上の猛勉強を再開したのです。

言っておきますが、私はドMでも受験オタクでもありません。 現実的に自分の状況を考えてみると、浮かれて遊んでいる場合ではないとスグに理解できたんです。

まず2浪している時点でハンデを背負っているのは明白です。 不透明な日本経済や、将来設計を考えると「お金持ちになる」選択肢はそんなに多くないのは分かりました。

リサーチした結果、お金持ちになるには「大企業に就職する」「起業する」「難関の国家資格を取る」が一般的であると知りました。 ※芸能人、スポーツ選手、ミュージシャンなどは除外しています

悩んだ末、「難関の国家資格を取る」という選択肢を選びました。医者・弁護士・会計士のうち、現実的にどれが自分にも取得できそうか分析し、 公認会計士の試験合格に的を絞る事にしたのです。

過酷な勉強が再びはじまる

公認会計士の予備校にも通い始めました。大学と予備校のWスクールです。 大学は簡単に単位が取れるような授業ばかりを取って、ほとんど予備校に入り浸りました。

「新歓コンパがあるけど来ない?」「サークルに入らない?」「キャンパス案内するよ」大学では1年生はいろんな勧誘を受けます。 しかし「公認会計士の試験合格」という事しか興味がありませんでした。

そのうち自然と私への勧誘は少なくなっていきました。 成功者の本に「成功者は孤独だ」と書かれているのは、こういう事なのかなと思いました。

バイトもせず、合コンは4年間でたった1回だけです。立命館大学・公認会計士の予備校・そして自宅。 この3か所をグルグル回るだけの生活を続けました。

大学とは学問をする所なので、私は本来の道から外れていたんだと思います。1日20時間も勉強して苦労して入った大学を疎かにして、 Wスクールで会計士を目指すなんて「非常識」でしょう。

でも常識の通り、周りに合わせてやっていたら常識の範囲内の結果になってしまうはずです。 それが嫌で、人とは違う個性的な仕事や生活をしたいなら、最初から「非常識」な道を進むしかないんだと思います。

自分向上メモ~会計士受験編~

会計士の試験においては、「基礎が重要である事」「難しい試験は合否に関係しない事」「総合点の勝負である事」 この3点を心掛けて勉強をしていました。

そして、それ以外にも大学受験の反省点として、いくつかの改善点がありました。

マインドセット

何かを実行する際に、マインドセットがとても重要になってきます。 私のこれまでの経験上、結果を出せる人と出せない人の差は、頭の良さや、能力の差ではなく、このマインドセットの差だと考えます。

他人から洗脳されてしまうのは問題ですが、自分で自分を洗脳する自己洗脳(マインドセット)は非常に重要です。 受験であれば「俺は絶対に受かるに決まっている」という自己洗脳、自己暗示をかけるのです。

ひたすら妄想するのです。会計士になった、あの会社に入って、お金持ちになって、高級レストランで食事して、ああなって、こうなって・・・。 このレベルまで妄想を膨らませていくのです。

こういったマインドセットの方法は稲盛和夫さんの本でも記載されています。

やがて夢と現実の境目がなくなって、すでに実現した事であるように、その達成した状態、完成した形が頭の中に、 あるいは目の前に克明に思い描けるようになるのです。

そうは言っても、妄想しただけでは実現できないという人も多いと思います。 ところが多くの成功者はみんな「思った事は実現する」と言っているのです。

この差は何かというと、無意識や潜在意識レベルで信じ切れているかどうかなのです。 大多数の人は心の奥底の部分では「俺はできない」と思っている事が多いです。

心の奥底から「確信」できれば、人は行動が変わりますから、 この「確信」を出来る限り100%に近いところまで高めていく事が大事です。

人間は24時間の中で自分との会話を4万回もするそうです。この「セルフトーク」にはネガティブなものとポジティブなものがあります。 放っておくと「出来ないかもしれない」とネガティブな方に寄っていきがちなので、これをポジティブに保つようにするのです。

私も実践しました。「俺は受かる」「会計士に受からない奴は人間じゃない」「人として終わってる」「大学中に受からないと死んだ方がマシ」 少し過激な表現もありますが、上記のような事を心の中で常に言いまくっていました。

ドリームキラー

ちなみに、何かの目標を掲げた時に、親とか友達が「そんな事は無理だ」などと反対してくるケースがありますが、 こういった人たちの事を「ドリームキラー」と呼びます。

「ドリームキラー」は一見すると、心配してくれているように見えるかも知れません。 でも実は心の奥底では、相手が変わってしまう、自分から離れてしまう事を恐れているのです。

だから本気で何かを実行したり、成し遂げたい場合は、この「ドリームキラー」と「ドリームキラー的な思考」を 自分から遠ざけたり、自分の頭の中で思い描かないようにする必要があります。

コンフォートゾーン

人間にとって、それまでの環境、常識の範囲内にいるのはとても心地が良いのです。 勉強しなくてもいいし、太っていてもダイエットさえしなければ好きなものを食べられます。

しかし、これも成功法則で「コンフォートゾーン」と呼ばれているのですが、 成功する為には、この「コンフォートゾーン」の殻を突き破る必要があるのです。

無事に会計士の試験に合格

猛勉強の末に大学に在学中に公認会計士の試験に合格。 在学中に試験に合格するのは早い方なので、今までの2浪で不利な状況から一気に有利な状態に転じました。

そして有限監査法人トーマツの採用試験に合格しました。 トーマツは「世界最大の会計事務所」とウィキペディアにも書かれているぐらいの超優良企業です。

世界150ヵ国に事務所が設置してあり、直近の売上は年間で3兆円オーバーです。なんだか額が大きすぎて訳が分かりません。 とにかく超優良企業グループのメンバーファームです。

トーマツでの日々は、間違いなく充実していました。監査の実務を通して、座学では学びきれなかったような事もどんどん吸収できました。 大企業の内情も伺い知れて、社会がどうやって回っているのかを学べました。

ただし仕事は激務でした。新入社員と言えども、朝9時に出社して毎日残業です。 特に決算の多い12月と3月は繁忙期なので、その時期は家に帰っている暇さえないほどです。

トーマツでの年収は1年目で600万円ぐらいでした。30代で1000万円、40代で2000万円も狙えるという将来性も安定性も抜群な職業です。 そのまま行けば一生安泰といっていいポジションなのです。

自分の武器になる先人の知恵

「とうとう自分は夢見たレベルの人間になれた!」当初はそう鼻を伸ばしていました。 給料もいいし、それなりのいい生活は出来ていました。将来もあって安定していました。

しばらくして慣れてきて、良く考えてみると会社員である事には変わりありません。 心のどこかで、自分の力ではなく、会社のおかげだというように感じていました。

それまでの私は良くも悪くも常にいろんな事にチャレンジして「チェンジ」し続けてきた人生でした。 一方で、公認会計士は安定して手堅いけれど、どこか自分らしさの感じられない毎日。

どこも悪くはないのですが、何かが違うという気持ちで過ごすようになっていきました。 そんなある日、人生を一変してしまう1冊の本と出合ったのです。

金持ち父さん貧乏父さん

あまりにも有名な本なので説明するまでもないかも知れません。 ロバート・キヨサキの「金持ち父さん貧乏父さん」です。

この本には私にとって衝撃を与える内容が書かれていました。

お金についての知識がなければ、たとえ良い大学を出て、大きな会社に就職しても 【ラットレース】の入り口に立つだけになりかねないのだ。

ここでいう【ラットレース】というのはカゴの中を走り続けるネズミのように「誰か」の為に働かされている状態の事です。 「誰か」というのは会社だったり、株主だったり、顧客だったり、お金の為だったり、です。

つまり2浪して、必死で勉強して、大学に合格して、会計士になって、世界一の会計事務所に入った今の私は 「カゴの中のネズミだった」という事です。

この本を読み終わって「とにかくラットレースから抜け出して、お金持ちになるには起業か投資しかないんだな」 という事実が心に深く刻まれました。

「金持ち父さん貧乏父さん」をキッカケに、お金や社会、人生の在り方についてたくさん学ぶようになり、 どんどん色んな本を読んで勉強するようになっていったのです。

そして、お金持ちが言っている共通の言葉、「お金より時間の方が大切」であるという事。 いくら稼いでも使う時間がなければ意味がありません。

自由になる時間の多さとは、自分で自分の人生をコントロールできている事の表れです。 短く働いて、大きく稼いで、自由な時間を作って、やりたい事を先送りせずに「今」やってしまう。

私が目指した「成功」はコレなんだ!と思いました。 この気付きを得てからは副業で「ネットビジネス」に取り組む日々が続きます。

※著者はこの後ネットビジネスを通して5万稼ぐ事に成功し、その稼ぎ方を「5万円で教える」というビジネスに成功します。 今はその稼ぎ方は陳腐化して使えないとの事なので省略させて頂きます。

ネットビジネスを副業でやり始めて3年。「給料を貰うのではなく、自分で稼いだと言えるお金を手にしたい」 「やっぱり自分でビジネスを始めたい」という思いが強くなったので、独立する事を決めました。

「チェンジ〜人生のピンチは考え方を変えればチャンスになる〜」の書評と感想

如何だったでしょうか。本ではこの先も「独立編」がありますが、 著者が現在取り組んでいるネットビジネスについての解説だったので省略させて頂きました。

最初が「落ちこぼれのヤンキー高校」だったのが信じられないぐらい努力家の著者でした。 1日20時間の受験勉強や、1日18時間の会計士勉強など、こういった勉強の日々を5年以上も続けてこられたのです。

普通の人であれば、せめて大学では羽を伸ばしてキャンパスライフを楽しんだりするものだったりすると思います。 周りの誘惑に飲まれずにひたすら会計士の予備校に通い続ける著者の意志の強さは相当なものだと感じました。

また、世界一の会計事務所に就職したにも関わらず、その高額な年収や安定した将来を捨ててでも 「自分のやりたい事をやる、自由を求める人生」を選択した著者。

これほどまでに自分の「意志」を貫く精神力と、失敗を恐れない「挑戦」する力は素晴らしいです。 「世の中にはこんな頑張っている人がいるのに俺は何やってるんだろう」という気持ちにさせられます。

私もちょっとでも自分の理想とする人生に近づけるように日々の努力を怠らないようにしたいと感じました。 それではまた次回の書籍レビューでお会いしましょう。 最後までご覧いただきまして誠にありがとうございました。